インドネシア コソ泥の哀れな運命とは!?


2012.9.01

 

Keropok(クロポッ:ライトせんべい)と呼ばれる食べ物がインドネシアにはあります。

勝手にライトせんべいと名付けましたが、味は「かっぱえびせん」からエビの味を抜いたようなものです。つまりほとんど味のないスナック菓子です。

 

Toko Kecilにも売っていますし、よく自転車でKeropokを売りに来ます。

 

これは主にごはんの付け合せとして食べられるもので、日本人からすると「ご飯のおかずにスナックを使うのか!?」と思われて違和感があるでしょう。

 

ところが使うのです。

 

たぶん私にとって、これが最後に慣れたインドネシアの食習慣だと思います。たぶんKeropokが置いてない家庭は珍しいと思います。もちろんWarungに行けばほぼ9割はKeropokが置いてあります。

 

例えばWarungではテーブルの上に大きなタッパーが置いてあり、その中にKeropok20個くらい入っています。それをインドネシアでは勝手に取って、食べます。

 

これはKeropokだけではなく、BakwanTempeなど、おかず類はたいがい「勝手に取って食べる」です。

 

そして勘定をする際レジで「Keropok 2個 Tempe 1個」などと自己申告をします。この際彼らがこの数をごまかすことは絶対にありません。もちろんごまかそうと思えば簡単にごまかすことは出来ます。

 

これは彼らの幼少時からの躾、宗教上の教義に基づくものであり、見事に徹底しています。

 

こういった素晴らしい美徳を持ちながらも、残念ながらさまざまな犯罪は発生しています。特にジャカルタは「隣のビルに行くにもタクシーを使え」と言われるほど以前は犯罪多発地帯であったと聞いています。

 

地方紙のJawa Posにも犯罪に関する記事はよくあります。たまに目にするのが「コソ泥が捕まった」という類の記事です。

 

たいてい、「留守宅に忍び込んで携帯電話と財布を盗んだら人がいて捕まった・・・・」とか、「車泥棒をしようとしたら車が溝にはまって、動けなくなって捕まった・・・・」と言うようなものです。

 

しかし、新聞を読みながらよく考えてみると少し不思議な気がしました。と申しますのも、中部ジャワ州の人口は約3200万人です。日本の人口の1/4ほどの巨大人口を抱える中部ジャワで、コソ泥レベルの犯罪がしばしば新聞に載ってしまうのです。

 

この人口の中でコソ泥ごとき日常茶飯事ではないか?それなのになぜわざわざ新聞に載るのか?と疑問に感じたのであります。

 

しかし、いくつかの記事を読んで、この疑問は解決しました。たいてい記事の最後にはこう書いてあります。「もし泥棒を捕まえたら、皆さん、必ず、絶対に警察に届け、法の裁きに任せましょう!!」と。

 

この写真は、弊社の事務所兼私の借家の前の道を撮影したものです。Panjunan村です。乾季で澄んだ朝の陽ざしが燦々と大地に降り注ぎます。

 

大人は仕事に行き、子供は学校へにぎやかに出かけます。素晴らしい日常です・・・・。平和な空気が村を包みます。

 

 

それゆえこの日常が乱される行為があると、思いがけなく村人は過剰に反応してしまうのです。ほとんど自制がきかないほどに。

 

 

つまり、泥棒が被害者を捕まえると、近隣から村人がわらわらと集まってきます。そして寄ってたかってその場で彼を痛めつけ、半死半生の目にあわせてしまうのです。

 

 

ですので、新聞の写真にはよく痛めつけられてぐったりした泥棒の写真、誇らしげに泥棒を取り押さえている村人の写真をよく目にします。

 

 

以前このブログで、相棒のイカサンがよその村で交通事故にあいそうになったとき、村人から暴行を受けそうになった話をしました。

 

これと同じで、異邦人が村でもめ事を起こすことを、彼らは異常に嫌います。普段はおとなしい彼らが激高する場面がなかなか想像がつかないのです。しかし、場合によってはそうなります。

 

 

自分もまたPanjunanでは異邦人であることをいつも肝に銘じています。

 

 

Sampai Jumpa Lagi,

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Koki