インドネシア API-Uだけでは・・・。失敗しました


2012.11.22

日経新聞の夕刊の「プロムナード」というコラムをよく読みます。今日のコラムは作家の佐川光晴氏。お子さんと一緒にハンバーガーチェーン店で食事をされた際の出来事のコラムです。

 

おそらく、登場する店はマクドナルドとか、モスバーガーなどではないかと推測できます。この短いコラムが私に昔見た映画を思い出させました。映画の題名は「フォーリング・ダウン」(Wikipedia)主演はマイケル・ダグラス。私の大好きな俳優の一人であります。

 

 

詳細のあらすじはネタバレになるのでここでは控えたいと思いますが、あるシーンでマイケル・ダグラスがハンバーガーチェーン店でハンバーグを注文しました。しかし彼は出されたハンバーガーを見て逆上します。「このハンバーガーは出された写真とは全く違うぞ!! 薄すぎだ!!」と。

 

彼の気持ちは良くわかります。私もインドネシアでこう叫びたくなることが良くあります。「この請求金額は出された見積もりと違うぞ!! 高すぎだ!!」と。

 

冗談はさておき、これに類することは仕事をしている限りにおいて、インドネシアであろうと日本であろうと同じように起こる話ではないかと思います。今日はインドネシアで起こった失敗談を一つお話しいたします。貿易の話です。

 

弊社が取り扱うバイクの部品はブレーキシューというもので、これをタイから輸入しインドネシアで販売をしております。名前の通りブレーキ部品の一つになり、主にバイクの修理屋がメインの顧客です。ブレーキに使用する消耗品の為、バイクを修理に来た人が、交換と取り付けを修理屋に頼むのであります。

 

こういった部品というのは普通に考えれば簡単に輸入できそうな気がします。ところがインドネシアでは輸出入に対しいろいろな規制がかかっており、簡単なようでも一筋縄ではいかないことがあります。

 

このブレーキシューという部品はAPI-U(Angka Pengenal Importir-Umum)という輸入ライセンスがあれば問題なく通関できるのですが、同じバイクの部品でもHSコード(世界共通の品目コード)によってはこのライセンスだけでは通関できないものもあります。

 

例えばヘルメットやタイヤなどは輸入ライセンスだけではなく、さらにSNIといわれるインドネシア版のJIS規格を取得してから輸入する必要があります。

 

こういった細かい規制があるため、輸出入をする際には注意が必要になります。例えば弊社がタイ企業からバイク部品の購入を検討する場合、事前にその製品をインドネシアに輸入する為にはどのライセンスが必要になるのかを調べるわけです。

仮にライセンスが無いものを購入してしまった場合には、輸入もできない、しかも返品もできないという抜き差しならない事態になってしまいます。

 

これを防ぐため、ある製品が輸入可能かどうかの事前調査を含め、問題なく通関業務をハンドリングするのが乙仲業者、またはフォワダーと呼ばれる貿易業務の専門家です。特に初めて扱う製品であれば細心の注意が必要になります。

 

おそらく貿易会社、もしくはメーカーの輸出入業務を担当する部門からすると、この乙仲業者の良し悪しが事業の命運を左右するといっても過言ではないでしょう。

 

実はLJAインドネシアが最初にブレーキシューを輸入した際は、乙仲業者に一杯食わされるところでした。

 

ジャカルタにあるインドネシア系の乙仲業者がバイク部品の輸入をハンドリング出来るとの情報があり、その会社にタイからの輸入通関を依頼することにしました。その際彼らには必要となるライセンスを何度も確認した結果、API-Uだけで輸入できるとの話でしたので、我々も安心して船積みを待つだけという段階でした。

 

ところが船積み予定の数時間前にこのフォワダーから連絡があり、「ブレーキシューの輸入にはAPI-U以外でSNI(インドネシア版JIS規格)が必要になる。取得にはRp10.000.000(日本円で約10万円)かかるので、すぐに振り込んでほしい。振込が確認できなければ船積みはキャンセルになる」とのこと。

 

実はこの荷物、断食月の前に輸入したいと考えておりました。なぜなら断食月の間の約1ヵ月というのはインドネシア人の購買意欲は非常に高くなります。そのため通常の月の倍近くの売り上げを見込むことが出来るのです。この船積みを逃すとタイからスマランに行く便が10日ほどなかったため、是が非でもこの便に乗せたいと焦っていたのです。

 

このフォワダーもそれを見越し、Rp10.000.000を吹っかけたのでしょう。あれだけ調べたのに今になってSNIが必要になるなどとは信用もできず、到底承服もできません。我々がおいそれとRp10.000.000もの金額をすんなり払うと思うとは・・・・。

 

急きょ以前スマランで仕事とは関係のない場面で知り合いになった乙仲業者に、連絡をして今回のハンドリングが出来ないかどうか確認したところ、あっさりOK。

 

船積みはやはり遅れてしまったものの、余計な費用を払うことなく通関することが出来たのであります。

 

おそらく、このジャカルタの乙仲業者のやり方は彼らの商習慣の中では「あり」だったのでしょう。平気でこういったことをする業種は乙仲業者に限らずいろいろな場面で見受けられます。もちろんインドネシアに限ったことではなく日本でも同じです。

 

映画の中でのマイケル・ダグラスの「切れっぷり」は見事でした。彼に会ったらお願いしたいと思います。「私の代わりに切れてください」と。

横浜の港に停泊する豪華客船です。一度は乗ってみたいと思います。

Sampai Jumpa Lagi,

Koki