2012.9.28
日本およびその他東アジアの国々、アメリカで国政にかかわる重要な選挙などが控えているため、国内外でここ最近特に政治の話題が多くなっています。
政治と生活はもろに直結するため、関心のあるところです。
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昔テレビで台湾の国会で議員が殴り合いのけんかをしているのを見たことがあります。原因はよくわかりませんが、有権者の期待や生活を背負って国政を任された人々が体を貼って自己主張をしていると考えれば、何事もなく「シャンシャン」で終わらせる政治よりかはまだましかという気もします。
ところで中部ジャワの弊社の拠点があるPatiにいる際、政治の紛糾場面を2度ほど見たことがあります。
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一度目は村長選挙です。
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ところでインドネシアの行政区というのはおおよそ下記のようになっています。
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Desa：村[full][/full]
Kecamatan:市[full][/full]
Kabupaten:県[full][/full]
州
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例えば弊社LJAインドネシアの事務所所在地はDesa Panjunan, RT07 RW02, Kecamatan Pati, Kabupaten Pati, Jawa Tengah, 59116 Indonesia ですが、これを日本式に直すと、
中部ジャワ州パティ県パティ市パンジュナン村7丁目2番地
といった感じになります。
そのため最少の行政単位はDesaとなり、2000人以上の人口でDesaと正式に認められます。Desaにはたいてい、一般的なコンビニ1店舗くらいの小さな集会所があり、そこが村役場になっています。
村長はたいがい農業や自営業など、ほかの仕事と兼業で、たいていはのどかな生活を満喫しています。
ところが、国→州→県→市→村と降りてくる予算の使途は当然村議会が権限を持つため、この村長になりたがる人というのは結構います。そしてそういった人の友人や親せきがパトロンとなり、金銭的な援助を行います。
実はLuboyo村に10年位前に村長選に立候補した知り合いがおり、彼からいろいろ話を聞いたことがあるのですが、選挙戦に使用した金はおおよそRp300.000.000（日本円で約300万円）とのこと。物価水準が日本の約10分の1とすれば、感覚的には3000万円使ったイメージになります。
こういった軍資金を知人、親戚、近所の人が候補者につぎ込むため、絶対に村長選で負けるわけにはいかないのであります。もし村長に選ばれれば予算の権限を握ることが出来、また彼を応援した人々も当然その恩恵にあずかることが出来るわけです。
さらにPatiは水産業、農業が主要産業で、それにまつわる様々な利権があるらしく、小さな村の村長選とはいえかなり盛り上がります。いつもは友好な関係でいる隣人も、仮に応援する対象が違う候補者であれば雰囲気は悪くなります。
候補者とパトロンたちは夜な夜なパトロンの家で作戦会議です。選挙戦の基本は住民をパトロンの家、候補者の家に夕食招く、もしくは彼らが土産を持ち住民を集めて夕食を共にするといった地味なもののようです。その際に「自分が当選した暁には、応援して下さった皆さんにも○○××・・・・」といった約束をするわけです。
去年、以前私が暮らしていたLuboyo村の隣の村で村長選挙がありました。現職と新人の一騎打ちでした。詳しいいきさつはよくわかりませんが、選挙は新人が勝利したのですが、現職が「不正選挙、票数が合わない、金で票を買っている」との理由で、村役場に籠城する事件が起きました。
以前日本の民放テレビでどこかの県の市議会か区議会が同じような理由で収拾がつかなくなっている事件があったと記憶していますが、それと同じような感じです。
前述の通り、大金をはたいた選挙戦で負けることは出来ず、籠城を破ろうと実際の力ずくの紛争に発展し、結局警察が介入することになりました。
実際の紛争は目にしていないのですが、約10日は警察の装甲車が数台、武装警官が数人でだれも村役場に入れないよう管理しておりました。その後Panjunanに引っ越してしまったので結末はどうなったのかわかりません。
村役場の割れた窓ガラスと木の板で封鎖された扉が印象的でした。
ちなみに前述のLuboyo村で10年くらい前に立候補した知り合いは結局村長選に敗北したそうです。しかし10年たった今でも「村長になったらこれだけすごいんだ!!」と言うようなことをジャワ語とインドネシア語をごちゃ混ぜにして、口角泡を飛ばし日本人の私に力説しておりました。
10年とは短く、また政治とはかくも人を熱くさせるものです。
Luboyo村の裏庭の風景です。木はバナナの木で自生しています。近いうちに2回目にPatiで見た政治紛糾をブログに書きたいと思います。
Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]
Koki