2012.9.05
私がインドネシアで起業したPatiはインドネシアでは「ご隠居が余生をゆっくり暮らすための土地」として有名です。
ジャカルタに住んでいるインドネシア人の友人にPatiで会社を興すという話をした時に、真っ先に彼がおもったのは「あんな田舎に仕事があるの?」でした。
Patiの主要産業は農業、漁業です。農業に関しては素人のため詳しくはないのですが、土壌によって農業に適している、いないがあると聞いたことがあります。
最近も実は相棒のイカサンとBawang merah(バワン・メラ=小型の赤い玉ねぎ)をインドネシアのある別の島しょ部に販売する企画を練っているところです。
この島ではBawang merahが育たず、ほとんどをインドネシアの別の島から調達しています。そのため価格もPatiの相場よりも5割ほど高いため、やりようによっては儲けが出るという計算です。
もちろんBawang merahだけではなく、砂糖キビ、塩、米などなど、穀物類は豊富に収穫できます。
その中でも、ピーナッツはPatiの特産品の一つでもあります。インドネシアでは料理にもふんだんにピーナッツが使われ、食卓には欠かすことが出来ない食材です。Gado Gado(ガドガド)やPecel(プチュル=ピーナツソース)は私の大好物の一つです。
そして、Patiはインドネシア人であればだれでも知っている、2大菓子メーカー、 Garuda Food(ガルーダフード)とDua Kelinci(ドゥア・クリンチ)の発祥の地でもあります。
メインの菓子としては、いわゆるミックスナッツの類で、ピーナッツを原料にしたその他さまざまなスナック菓子類を製造しています。
日本ではあまりお目にかからないスナック菓子ですが、それなりにおいしく、日本人がポテトチップスを好んで食べるように、こちらでは味付けピーナッツ菓子をよく食べます。
Garuda FoodはPatiではKacang Garudaと呼ばれています。Kacang(カチャン)はインドネシア語で豆を意味します。また、Garudaは鷹のような鳥で、インドネシア国家のシンボルとしても使用されています。
もう一つのDua KelinciはDua=2 Kelinci=ウサギで、この工場の前にはグロテスクな2匹の巨大ウサギの絵が掲げられてあります。
この二つ、競合するメーカーではあるのですが、Pati発の国民的巨大製菓メーカーです。
2つに共通するのはPatiの特産物であるピーナッツを生かして商品化に成功したことと、2社とも創業者が中華系インドネシア人で、資本力がありそれを上手に利用できたことです。
しかしながら資本力があるとはいえ、最初は本当に小さな家族ビジネスからのスタートで、こぢんまりと商売をしていたそうです。
確かに今でも、自家製菓子がよくPasarで売られています。おそらくそのような感じだったと思います。
それがあれよあれよという間に大きな工場を建て、何千人という従業員を雇用するまでの大企業に成長してきました。
Garuda Foodは工場裏を車で通ったことがあるだけでよくわかりませんが、郊外にあるDua Kelinciの工場近くはしばしば通ります。この工場は24時間交代で、時間帯によっては従業員の帰宅、出勤ラッシュと重なり、バイク渋滞が出来るほどの従業員を抱えています。
Patiのような小さな街でもこのように大成功する企業が出てくることに、勇気づけられる思いがいたします。
ウサギの写真がなかったので猫の写真を掲載しました。ちなみに日本でウサギといえばペットとして飼われますが、インドネシアでは食用として取引されています。
Sampai Jumpa Lagi,
Koki