インドネシア 乙仲業者との出会い


2012.9.10

インドネシアの乙仲業者について先週から引き続きブログに書きたいと思います。

おそらく貿易業務に携わっていない方は??という話になりますが、私の失敗談を交えて経験したことを記載いたします。乙仲業者は弊社のような貿易会社にとって生命線と言っても過言ではない重要な役割を持ちます。

現在PT. LINTAS JAYA ABADIはスマランの乙仲業者2社と取引があります。おおよそ7~8社と面談をして、この2社と取引が始まりました。

インドネシアでの貿易のとっかかりはバイクの部品をタイから輸入するビジネスだったのですが、最大の問題は輸入ライセンス(API-U)が弊社になかったことです。

インドネシアでは物品を他国から輸入する際、貿易会社であれば必ずAPI-UAngka Pengenal Impor Umum:日本語に訳すると輸入業者識別番号というような訳になります)というライセンスの交付をインドネシア商業省から受ける必要があります。

これがないとインドネシアに物品の輸入が出来ません。

それではない場合どうするか? というと、API-Uを取得するまでほかの会社に代理で輸入してもらい、弊社がその会社から製品を購入するという運びになります。API-Uを申請し、取得するまでの暫定措置になります。

そのため、弊社ではまずバイクの部品を輸入するために、代理で輸入してくれる貿易会社を探す必要がありました。

このように文面で書いてみると、そのような貿易会社などいくらでもあるような気がしますが、実際のところ、こういった一見の会社の輸入を引き受けてくれる貿易会社はほとんど存在しません。

理由は、インドネシアの税関は非常に厳しく、もし仮に輸入品に何か問題になるようなものがあった場合、とんでもないことになるからです。これはどこの国でも同じでしょうが、「難癖をつけて金を巻き上げる」という十八番を税関に使われると、業者としてはもうなすすべがないわけであります。

税関もすべてシステム管理されていますので、ある貿易会社がいつもとは違うルートで物品が輸入された場合、税関職員もスルーさせず厳密にチェックする確率も高くなるでしょう。

こういったリスクを冒してまで他人の荷物の通関の手助けをしようとはだれも思わないのであります。

ちょうど台湾から「携帯電話」と偽って拳銃が密輸される事件が起こったばかりのタイミングでもありました。

そんな中での代理輸入人探しは難航しました。面会だけではなく、Webサイトで見たジャカルタの乙仲業者にも相棒のイカサンが電話をかけまくり、やっと一社そういった代理で製品を輸入してくれる貿易会社を紹介してくれるという乙仲業者がジャカルタで見つかり胸をなでおろしたのであります。

インドネシアの消費の特性として、断食月の始まる頃から終わりまでのおおよそ1か月間、人々の消費意欲は旺盛になります。そのため何としても断食月が始まる前までに輸入する必要があり、かなり早急にこの乙仲業者と契約を結ぶ必要がありました。

ところが、このジャカルタの乙仲業者から概算の代理費用や輸入にかかる経費はだいたい聞いていたのですが、なかなか正式な見積もりが出てこず、タイの輸出業者に出荷のGoサインを出す締め切りの1時間くらい前になり、やっと出てきた見積もりをみてびっくり!!

法外な代理費用や、ASEAN諸国内であれば無税でOKなはずの関税や不必要な諸経費が見積もりに含まれていたりで、急きょ船積みの日程をずらし、乙仲業者を変更いたしました。

こちらも相当焦っていたので、完全に足元を見られたのであります。

結局どうやってまっとうな乙仲業者を見つけたかというと、たまたま、バイクの部品の販売先の社長(つまり弊社のお客様)がSemarangのある高級住宅街に住んでいたのですが、そのご近所さんに小さい乙仲業を営んでいる人がいて、その人を紹介してもらったのであります。

その高級住宅街の乙仲業者が現在弊社がメインでお願いしているフォワダーになります。社長が輸入専門、奥さんが輸出専門、従業員が2名。Webサイトなどはなく、こういった偶然が無ければ、知り合いになることはまずあり得ない出会いでありました。

この乙仲業者のおかげで無事バイクの部品もタイから出荷でき、第一回目の輸入がスタートしたのであります。

ちなみに、この乙仲業者は後々になってさらに弊社にとって欠かすことのできない存在になってくるのであります。

インドネシアで輸出入に関するビジネスをする際に、必ず輸出、輸入とも貿易ライセンスの問題が立ちはだかります。これは弊社のような貿易会社だけではなく、原料を輸入しインドネシアで加工する製造業もまた特別なライセンスが必要になります。

これをいかにクリアするかが最初の難関です。いずれ近いうちにこの貿易ライセンスに関して少し掘り下げてブログに書いてみたいと思います。

この写真もまた、弊社のWebサイトで使用したものです。いずれはコンテナを船いっぱいに積んで日本~インドネシア間で貿易をしたいものです。

Samapi Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki