インドネシア 兼松のコンビニ弁当工場


2012.11.21

先日何かの記事で見た言葉が印象的でした。サムスンとシャープの液晶に対する考え方の違いを示した言葉として紹介されていました。

 

サムスン=「売れる液晶が良い液晶」
シャープ=「良い液晶だから売れるはず」

これは液晶にだけあてはまる考え方ではないと思います。マーケティングという考え方で製品もしくは商品を見た場合、今の時代はサムスン式の考え方が正解になるはずです。

 

そしてもう一つマーケティングに正解があるとすれば、「新しい市場を作る」という考え方ではないでしょうか。

 

例えばSkypeを利用した英会話などもその一例かと思います。以前「レアジョブ」というSkypeを利用した英会話のレッスンを、毎日25分受けておりました。もちろん土日も欠かさずです。おそらくこのレアジョブがSkype英会話を初めて行ったのではないかと思いますが、まったく斬新なサービスだと心から感心いたしました。

 

もともと英会話の巨大マーケットの中で供給されるサービスは「英会話教室」、「ネイティブによる個人or グループレッスン」もしくは「教材」くらいしかなかったと思います。ところがこのレアジョブにより、「Skype個人レッスン」という新しい市場が英会話マーケットの中に出来ました。

 

レアジョブのレッスンを始めた最初の頃は、Skype個人レッスンの良さが分かりませんでした。しかし、だんだんと時間がたつにつれて「これは便利だ!!」ということがわかると、もう他の英会話教材などを始めようという気が無くなりました。

 

レアジョブを例にとりました「新しい市場を作る」というのは、消費者からすると最初は良くその利便性が分からないでしょう。しかし、その商品なりサービスなりを使用してゆくうちに徐々にその威力が現れてくるものだと思います。

 

この、「新しい市場を作る」という考え方で今日の日経新聞の朝刊を見ると、私の興味を引いたのが、兼松がインドネシアのバンテン州にコンビニ用の惣菜工場を作るという記事でした。主な供給地はジャカルタになるはずです。

 

ジャカルタのコンビニには何回か入ったことがありますが、惣菜や弁当の類はどのコンビニにもありませんでした。むしろそういったものがあったら私は驚いていたでしょう。なぜなら、こういった惣菜や弁当の類はインドネシアでは必要とされるものではないと思ったからです。

 

何度かこのブログで私はジャカルタには詳しくない旨記載しました。そのため、感覚が中部ジャワ州にある中堅都市のPatiのそれであることは否めません。それにしても、弁当はないだろう・・・・。と最初はこの記事を読んで思いました。

 

そう思う理由のまず一つは、インドネシアにはWarungという屋台が非常に多くあります。こういった屋台では老若男女気軽に食事をとることが出来ます。また、お持ち帰り用で“Bungkus”(ブンクス=包む)と屋台のマダムに頼めばバナナの葉っぱにご飯とおかずを入れて渡してくれます。そのため、わざわざ値段の高いコンビニで食事を買う必要はないと思ったのです。

 

また、もう一つの理由はあの酷暑、あの渋滞の中で生ものを配達するのは相当無理があると考えたからです。冷蔵車を使うのかもしれないのですがそれにしてもコストはかなり割高になるかと思います。

 

ところがこの「インドネシアのコンビニで弁当や総菜を販売する」ということを「新しい市場を作る」という考え方で見ると、決してこれは無理な話ではないなと思い直しました。

 

確かにインドネシア人からすると弁当などは、最初は見慣れないものになるはずです。Warungの温かいBungkusと比べると、冷めたご飯など魅力的に映らないと思います。

 

しかし、何らかの利便性を彼らがコンビニ弁当に見出すことが出来れば爆発的に普及するかもしれません。例えば昼時のWarungは人が多すぎで食事に時間がかかるが、コンビニであればすぐにご飯を購入できるということかもしれません。

 

あるいは、若いOLが昼食をコンビニ弁当にするのはファッショナブルであるという風潮が出来上がる可能性もあります。

 

いずれにいたしましても、日系企業がインドネシアで挑戦している記事を見て、勇気づけられる思いがいたしました。

 

 

 

 

インドネシアにもお弁当というのはあります。たいがい結婚式や何かお祝いのときに配られます。お弁当の写真が無かったので、代わりにパンのお菓子の写真になりますが、こういった箱の中にご飯や惣菜、鶏肉、魚などが入っています。結構豪勢なお弁当です。

 

Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki