インドネシア コーヒーのビジネス


2012.10.02

先週よりコピルアックというコーヒーのブログも始めました。

弊社は貿易会社ではありますが、関連会社のPT. LINTAS JAYA ABADIではコピルアックの精製を行っております。Googleでコピルアックと検索するとたいがい「幻の」とか「世界最高級の」といった言葉が出てきます。

このブログでは、果たして本当にそうなのか?コピルアックとはどうやって作られるのか?などを中心に、出来れば1週間に3回程度ブログを発信したいと考えております。よろしくお願いいたします。

ところで今日はインドネシアのコーヒーと貿易に関する話題をブログに書きたいと思います。

インドネシアはご存じの通り世界有数のコーヒー生産国です。Wikipediaによると、ブラジル、ベトナムに次ぎ世界第3位の生産量を誇ります。

 

また、この資料によると、日本が生豆を輸入している国の順位はブラジル、コロンビア、そしてインドネシアの順になります。

ちなみに日本は世界有数のコーヒー消費国として知られております。同じWikipediaを見てみると、輸入量はアメリカ、ドイツに次ぎ世界3位の輸入量になります。

インドネシアで起業をする前はコーヒーの貿易に関しては全く無知であったものの、この業界に新規で参入するのは、ほとんど無理であろうと思っていました。年間何十万トンもの膨大な量を消費するコモディティーなどは、間違いなく大手の商社や専門商社が取り扱う以外参入の余地は全くないと思っていたからです。

中部ジャワではいろいろな地域でコーヒー栽培がおこなわれております。コーヒーという作物はほかの作物と同様、収穫高が気温や気候に左右されるもので、たいがい高地で栽培されております。

弊社の拠点であるPatiから北西に行くとすぐにMuria山という山があります。標高は2000メートル以下でさほど高い山ではありませんが、コーヒー栽培はやはり行われています。

Patiをはじめ隣の県のJepara、Kudusといった都市はこのMuria山のふもとに位置しておりますが、コーヒーに関する産業が盛んかと言えば実はそうでもなく、コーヒー産業に関連する企業を見かけることはありません。

ところでコーヒーには2種類の豆があります。アラビカ種とロブスタ種です。アラビカ種は主にレギュラーコーヒー等のどちらかと言えばグレードの高い豆で、ロブスタ種はインスタントコーヒーや缶コーヒーに使用されるグレードの豆になります。

インドネシアではコーヒー生産量は圧倒的にロブスタ種が多く、Muria山での栽培もやはりロブスタがメインです。

それでは、なぜ近くに栽培場所があるのに産業があまりないかと言うと、コーヒーの栽培、買い付け、精製、焙煎はすべて山の中で行っているからです。

確かにこれは合理的と言えばその通りです。市場への出荷以外すべてを生産地で行うことが出来れば、余計や輸送コストや都市部で高価な土地を借りる必要もなく、製造業としての効率は良いのです。

ところが一つの問題点があります。それは出荷以外のすべてが山の中で完結しているため、相当に閉ざされた産業であるということです。

おそらく日本に住んでいると想像するのは難しいのですが、インドネシアで、山から都市に出るというのはかなりの労力を使います。山奥に入るに従い、舗装されている道がなくなってきて、バイクで通るのも困難なジェットコースターのタイプの山道を往復するのは現実的にかなり困難です。

そのため、前述の通り山の中で産業を完結させるのは効率的ではあると同時に、それ以外の選択肢は取りづらいという面もあります。

この閉鎖性の中で割を食ってしまう人がいます。それがコーヒーを栽培している栽培農家です。

ある日、Panjunanの事務所兼自宅で仕事をしていると相棒のイカサンが若い客人を連れてきました。背の高いハンサムな男性です。

Panjunan村はインドネシアではどこにでもある普通の村ですが、そんな中で日本人が住んでいて、貿易業を営んでいるというのはある程度噂にはなっていたようです。もちろん私自身あまり目立ちたくないので、宣伝も何もしておりません。

若い彼は人づてにイカサンのことを聞き、Panjunanの事務所に来てくれたのです。

彼がカバンから取り出した封筒の中には肌色の豆が入っていました。これが私がコーヒーのビジネスを始めるきっかけでした。


写真は植えたばかりのコーヒーの木です。Muria山のPati側の村のコーヒー林の写真です。

Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki