インドネシア ワタミ社長の「私の課長時代」を読んで


2012.9.25

現在ワタミの社長である桑原氏の「私の課長時代」に今日は目が留まりました。

ワタミに関しては、時代と共に進化しているというイメージがあります。と申しますのも、以前は格安の居酒屋、サービスも味も、「まあ悪くない」というものでした。ところが、つい2年位前に久々にワタミ系のチェーン店の居酒屋に行ったところ、「この値段でこの味はかなりすごいな」と感心した覚えがあります。

飲食系のサービス業に従事したことはないのですが、おそらくものすごいノウハウの積み重ねと努力があったことは想像できます。

そんな一面が今日の「私の課長時代」で見ることが出来ました。

記事によると、「わたみん家を出店した直後は焼き鳥がうまく調理できず、クレームの嵐だったが、専門家を一人雇い、技術指導をしたところ格段に進歩した」とのこと。

この記事を見てすぐに弊社のコピ・ルアックのことが頭に思い浮かびました。

コピ・ルアックがどのようにしてできるかというと、まずジャコウネコが赤いコーヒーの実を食べます。コーヒーの実は消化されず、フンの中に混ざっています。それを取り出して精製し、グリーンビーンにしたものがコピ・ルアックとなります。

当初、このコピ・ルアックのグリーンビーンを弊社(LJA インドネシア)が、ジャコウネコを飼ってコーヒーを餌として与えている業者から購入する予定でしたが、いろいろ考えた結果、

ジャコウネコのフンが付いた未消化の豆を購入し、弊社で精製することにいたしました。

精製の基本はまずフンをよく洗い清潔にすることです。

この工程に関する詳細はKoki’s Kopi Luwakのブログで別途詳しく記載しておりますが、なかなか思うようにことが運びませんでした。

この洗浄作業は、猫のフンを人海戦術で洗浄し、豆を取り出すという極めて単純な工程で、事前に養猫業者からレクチャーを受けていたのですが、実際に量産工程で作業をすると思うように事が運ばず、ストレスはたまるものの、豆はたまらずといった状況がしばらく続きました。

相棒のイカサンと相談した結果、誰かこの工程を熟知した人をリクルートするしかないということになり、急きょPatiで候補者探しを始めました。

まず、我々が目を付けたのが、「ピーナッツの洗浄がこの工程に似ているのではないか?」ということでした。

Patiはこのブログでも書いた通りピーナッツの一大生産地で、Dua KelinciとKacang Garudaという2大菓子メーカーがあり、ピーナッツの精製をし、2大菓子メーカーに納入している小さな工場がいくつもあるのです。

そこで、イカサンに頼んでいろいろなつてを使ってピーナッツ精製工場に関連する人を探していたところ、ある一人の女性が候補に浮かび、弊社の作業所に来てもらうことにしました。

彼女はまさにピーナッツを洗浄する工程で作業をしていた熟練の工員です。作業工程を彼女が見るや否や、すぐに工程を変更するよう指示し、自分で洗い方の手本を示したところ生産効率がみるみる上がり、私が必死で考え抜いた作業工程はいとも簡単に瓦解することになってしまいました。

こういった工程の改善と少しずつの経験を積み重ねて良いものが出来てくるのだなと、Patiで実感した次第です。

「アンタ、その豆洗ったらそっちで洗うんじゃなくて、あっちでもう一度洗浄するって何度言ったらわかるんだい!!」と、私も最初はよく現場で彼女からしごかれたものです。

手前の短い木がコーヒーの木です。背の高い木は直射日光からコーヒーを守ります。養猫業者のあるKelet村で撮影しました。

Samapi Jumpa Lagi,
Koki