インドネシア 優秀なフォワダーとは


2012.9.07

いろいろな話をブログに書いていますが、弊社、インドネシア専門の貿易会社であります。

そのため、たまには貿易をテーマにブログを書いてみたいと思います。

おそらくほとんどの方が貿易、つまり何かの輸出入の実務に携わることはないと思いますが、日本やインドネシアは貿易大国であり、輸出入事業は我々の生活とは切っても切れない縁なのであります。

海外に荷物を送るということは、かなり面倒な手続きが必要で、日本の宅急便のように「電話をしたら宅急便会社が引き取りに来てくれて、送り状さえ書けば、それを相手に送ることが出来るという」という業務とは大きく異なります。

もっとも大きな違いは何かというと、荷物はA国とB国の間でのやり取りになります。その場合、例えばA国内で何の問題もなく流通している製品が、B国内では流通が禁止されている、もしくは著しく制限されているというケースもあり得ます。

わかりやすい例が、昨日のブログに書きました、ハラルフードです。

日本では何ら問題なく流通しているポークソーセージや芋焼酎はインドネシアでは宗教上ご法度です。もし何の規制もなくご禁制の製品がインドネシアに流れ込んだ場合、国内は相当混乱するはずです。

そのためにB国の政府では国民の利益を守るためいろいろな法律を定めています。「食品を輸入する者は政府の認定を受けるように」、「バイクの部品を輸入する者は国の定める安全基準に合格した証明書を政府に提出するように」・・・・・etc.

また、輸出するA国でも「希少価値の高い商品Cは輸出の際政府に届け出るように」、などの法律が定められている場合も多々あります。

つまりはA国とB国の法律が異なるため、A国から商品Cを輸出する際、必ず「B国で商品Cは受け入れられるのかどうか?」をA国の輸出者は輸出する前にB国の法律をチェックする必要があるわけです。

ではどうやってチェックするのか?

通常B国の法律はB国語で書かれています。インターネットでB国の法律を拾うことは出来るかもしれません。しかしながらB国語を読むことは出来ません。

そこで登場するのがフォワダー(乙仲業者)であります。

この「フォワダー」に関しては、貿易業務に関係している方以外でその業務を知っている方はあまりいないと思います。彼らは貿易に関する法律や、関税の問題、空輸便、船便の手配、B国内での配送業務手配などを行う、エキスパートになります。

この業務をA国の輸出者がフォワダーの力無しに行うのはほぼ不可能に近いと言っても過言ではありません。

弊社のような貿易会社のスタンスは「輸出者」あるいは「輸入者」の立場ですが、彼らが貿易会社の代理となり、これらの業務を遂行するわけです。

この中で特に重要なのが「商品CB国で受け入れらるかどうか?」の事前チェックです。仮に何らかの制限がある商品CB国の法律を知らずに送ってしまった場合、商品CB国に入国することが出来ず、A国に送り返される羽目になります。

フォワダー自身も実は法律の専門家ではありません。ですので、どうするかというとB国の「税関」に問い合わせをするわけです。「今度商品Cを輸入したいのですが、問題ありませんでしょうか?」と。

ここでとちると大問題が発生します。税関の職員が誤ったことを言ったとしても、彼らは絶対に非を認めません。つまり、フォワダーが責任を負う羽目になります。フォワダーとしてもこの事態は顧客との信用問題、金銭損失にかかわるので、誤った情報を取らないよう必死になります。

ここが一つのポイントで、フォワダーがどのレベルの税関職員と付き合っているか?が問題になります。法律を熟知し、経験豊富な職員か?もしくはあまりよくわかっていない職員か?

ここがフォワダー業務の肝になってきます。そして貿易会社の肝は、優秀なフォワダーと取引が出来るかどうか?にかかってきます。

私の経験上、一度へまをしたフォワダーとは2度と取引はしません。反対に、難易度の高い条件をクリアーして、無事に通関をしてもらったフォワダーを次回の業務で変えることはしません。

いくら競合他社が安い価格を提示したとしてもです。

ではどうやったら優秀なフォワダーを見つけることが出来るのか?

私の経験上これは「運」としか言いようがありません。いくらインターネットで立派なWebサイトを作っていたとしても、ダメなフォワダーはまるっきりダメで、私もインドネシアで何度か失敗しました。

この写真はインドネシア関連会社である、PT. LINTAS JAYA ABADIの会社のWebに使用したものです。

Sampai Jumpa Lagi,
Koki