インドネシア 口内炎の対処法(後編) 


2012.8.24

インドネシア語で口内炎のことをSariawan(サリアワン)。

「口内炎が痛い」を「Sariawanya sakit」(サリアワンニャ サキッ)と言います。

 

このインドネシア語、日本でインドネシア語教室に通っていた時にかなり早い段階で覚えた単語で、当時のクラスのインドネシア人の先生が「口内炎が痛い」と板書したのをノートにメモしておりました。

 

口内炎の痛みというのは相当なもので、私の場合たいてい10日以上もだえ苦しみます。

 

インドネシアで起業して第一回目の口内炎は8月初旬。2週間ほど苦しみました。

 

もちろん原因は激辛唐辛子であります。舌の側面中ほどにできてしまい、打ち合わせ中もしゃべるのに難儀する状態で、相棒のイカサンも困り顔で、「蜂蜜がものすごい良く効く」、「Jamu(この章ご参照ください)」を飲んだら完璧に治る。と、いろんなものを持ってきてくれます。

 

もちろん蜂蜜やJamuが口内炎に聞くはずもなく、一層私を無口にさせるのであります。

 

私自身、ひょっとしたら口内炎になりやすい体質なのかもしれません。特に中高生のころは年に何度かは苦しめられておりました。

 

日本では「チョコラBB」や「ケナログ」が良いと言われていますが、何度か試しても効果を感じることが出来ず、薬を使うたびに失望し、以後口内炎になっても薬を使用することはなくなっていました。

 

さすがにこのときはBakwanと生唐辛子を一緒に食べることを控え、治った後もしばらくはこの食べ方をしていなかったのですが、もうそろそろ大丈夫だろう・・・・と、また生唐辛子を繰り返すのであります。

 

もちろん「この間の唐辛子はホントに偶然で、以後はあんなものにあたることはあり得ないだろう」との自己暗示もベースにあります。

 

・・・・。しばらくは大丈夫でした。もちろんあんな激辛にはめったに遭遇しません。本当に忘れていました。平和な生活ですっかりいつものBakwan+生唐辛子の生活に戻っていました。

 

ところが、、、、また激辛にあたってしまったのです。

 

もう痛いを通り越して、今後2週間続くであろう苦悶は容易に想像でき、絶望しきっていたのであります。

 

それを知ったイカサン、「Aduh!?(アドゥー=Oh no!?)」とは言うものの、痛む舌を口の中にしまいこみ、横目でイカサンを見ると、彼の口角が少し上がったのを私は見逃しませんでした。

 

イラッと来た私の気配を察知したかどうかはわかりませんが、イカサンが「自分に任せておけ」とPanjunanの自宅兼事務所を早足で出て行ったのであります。

 

また2週間・・・・。

 

夜、食欲もなくぬるいインスタントラーメンを惨めにすすっていると、イカサンがまたやってきて、私に小さな黒ビニールを手渡すのであります。「口内炎に効く薬だ」と。

 

無言で受け取り、外箱の表示を見ると「Awas! Obat keras Hanya untuk bagian luar badan(危険! 強い薬につき外傷のみに使用すべし)」と記載があります。

 

確かに口内炎も外傷と言えなくもないのですが、さすがにこれを付けるのは躊躇し、イカサンに、「こう書いてある」と文句を言うも、曰く、「Tidak apa apa(大丈夫、問題ない)」。

 

彼に薬代Rp35.000(約350円)をわたし、彼が帰った後あまり期待もせず、この小さな薬の入った白い容器を開封したのであります。

 

この薬は赤い液体で、最近見ることはもうなくなった「赤チン」のような外観です。もちろん赤チンを飲んだことはないので味が同じかどうかはわかりません。

 

恐る恐るこの薬を鏡を見ながら自分の舌につけると、強烈にしみるではありませんか!!

 

口内炎の時にトマトを食べたあの感覚を倍くらいにしたしみ具合です。

 

この痛みは10秒くらいすればおさまりますが、当然これを付けたからと言ってすぐにどうなるというわけでもなく、その日はイカサンを逆恨みしつつ眠りについたのであります。

 

ところが・・・・。

 

翌朝目覚めると、心なしか少しばかり口内炎が軽くなっているような気がするのです。まあこれも気のせいかとは思いつつも、食後歯を磨きこの薬を付けていると、だんだんと痛みが薄らいでゆくような気分になります。

 

翌日には「これは気のせいではなく、ほんとに聞いているのではないか!?」と期待しながら、日中思い出してはこの薬を舌に塗っていました。

 

そうすると、不思議なことに薬を使い始めて2日目くらいからかなり痛みが取れてきて、4日目くらいにはほぼ完治!!

 

驚きとしか言いようがありません。

 

インドネシアに来て得た大切なものがいくつもありますが、もし2つ挙げろと言われれば、相棒のイカサンと彼が持ってきてくれたこの薬です。

 

この薬、いま日本に持って帰ってきているのですが、先日口内炎になった際も大活躍しました。さすがに使用後2日くらいまではもだえ苦しみますが、3日目くらいからはだいぶ楽になります。

 

ただし、これだけ効く薬が日本で発売されていないのは、何らかの理由があるはずです。まずは口内炎にならないよう、祈りたいと思います。

 

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki