インドネシアの小売業 Toko Kecilのマダム


2012.7.24

先日Patiの友人の奥さんがヤクルトレディーを始めました。日本の味が恋しくなったこともあり、彼女からヤクルトを購入しました。久々に飲むヤクルトは最高でした。

Patiはジャカルタやバンドゥンのような都会ではありませんが、ヤクルトのことは皆知っています。

以前日本のメーカーに勤務する知人から、自社製品がインドネシアで受け入れられるまでの話を伺ったことがあります。

当初は自社製品を問屋のようなところに卸していたそうですが、売れ行きがあまり良くなく、結局、自社で販売部隊を設け、小売店まで直接販売開拓に出向き、長い時間をかけて成功をさせたとのことでした。

この小売店=Toko Kecilだと思われます。

[full]一般的な日常品で、日系企業製品で、現在広くインドネシアで受け入れられている製品が成功するまでに至ったプロセスの中には相当地道な普及推進活動があったのではないかと考えています。[/full]

現在インドネシアで成功している、ヤクルトや味の素やポカリスエットは、もともとインドネシアにないものです。それを日本の先人たちが、インドネシアで「おなかに良い」、「料理に使うと味がよくなる」、「効率よく水分補給できる」という、活動をしながらここまでの市場を獲得できたのではないかと思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

[full]*この写真の一番右の赤い帽子をかぶった女性がLuboyo村のToko Kecilのマダムです。[/full]

ではどこでその活動をすればもっとも効果的かというと、それはToko Kecilになります。確かにこれはとても非効率ではあるのですが・・・・。

例えばインスタントラーメンのDistribusiはToko Kecilに対して、新製品の案内もしています。Luboyo村のToko KecilにはIndofoodというメーカーのSarimiというブランドのDistribusiが出入りをしてました。そのため、しばしば店のマダムからこんな風に売り込みをかけられます。

「アンタ、これ食べてみないかい?アンタ、よく食べるっていうじゃないか。このラーメン1袋に2食入ってるから便利だろ!?

新製品だよ」と。

たいていDistribusiのトラックが止まってた次の日に・・・・。

[full]卵を買いに来たのに結局ラーメンも買う羽目に・・・・。それになんで「よく食べる」って知ってるんだ?? もちろん一袋で済むはずもなく、なんだかんだ言って3袋くらい買わざるを得なくなるのですが。[/full]

その後ためしにPasarで1袋2食入りのラーメンを探したのですが、見つけることはできませんでした。

Pasarの品ぞろえは確かに豊富です。Toko KecilはPasarでも仕入れをします。しかしそのほとんどが、「もう既に一般市民に普及されている製品」です。

Distribusiの制度は、とても非効率な営業活動です。以前、PasarやToko Kecilに出入りしている薬品関係のDistribusiと話す機会があったのですが、特に興味深かったのが代金回収に関してです。

一般的には業種を問わずほとんどのDistribusiが「委託販売」の形態でToko Kecilに販売をしているそうです。つまり、たとえば毎週火曜日に配達に来て、その際、先週の配達から「売れた分だけの金額」をDistribusiが集金するとのことでした。

この方法ですと、Toko Kecilの数がものすごい多いにもかかわらず、一店舗の売り上げがとても少ないので、Distribusiにとって販売管理がものすごい大変!! であることは容易に推察できます。

それでも商品を広大なマーケットに普及させるためにはToko KecilとDistribusiの力は不可欠であるのかなと思います。

次回、Distribusiのことを少し記載し、このブログのインドネシアの小売シリーズをひとまず終えたいと思います。

Sampai Jumpa Lagi,
Koki