インドネシアのハラルフード


2012.9.06

 インドネシアのハラルフードに関しては何回かブログの記事にしてみたいと思います。

 

ところで表題のハラルフードのハラルですが、これはイスラム教の用語になります。「Halal」と書き、「許されている」という意味になります。反対に「許されていない」は「Haram(ハラム)」となります。

 

 

 

よくイスラム教徒は豚肉を食べてはいけない、酒を飲んではいけないという話は聞きますが、これらの飲食をすることは「Haram」となります。

 

 

 

インドネシア(ジャワ島)はご存じの通りイスラム教人口が世界最大国であります。そのため、ほんの一部の例外を除き、市場に出回っている食品の100%がハラルになります。

 

 

 

他の島しょ部の事情は不明ですが、おそらく同じようなものだと思います。

 

 

 

実はインドネシアで起業した当初、日本の食料品をインドネシアへ輸入できないかどうか検討したことがあります。

 

 

 

例えばインドネシアでは醤油に該当するものが「Kecap pudas(ケチャップ・プダス=辛いケチャップ)」といわれていますが、日本人の感覚からするとどうしても醤油とは別物で、辛いウスターソースに近いものになります。

 

 

 

こういった醤油や、ポン酢、ゴマダレのような調味料がインドネシア人に受け入れられないか?と思ったのです。

 

 

 

ところがすぐに壁にぶち当たりました。インドネシアの貿易ルールではハラルフードではなくても、諸手続きを経れば輸入は出来るのですが、事実上ハラルフード以外の食品はほぼ不可能に近いということがわかってきました。

 

 

 

これは日系、インドネシア系のフォワダーからの情報だったのですが、すべての担当者が口をそろえて言っています。

 

 

 

とくに原発事故が発生して以降は、日本からの食品輸入は禁止に近い状態になっていると聞いています。

 

 

 

ジャカルタでは中華料理に使用する輸入物の調味料が巨大モールで販売されていました。

 

 

 

それでは、輸入品でハラルフードであることを見分けるにはどうするのか?というと、必ずパッケージに、ハラルマークがついています。

 

 

 

これは「この食品はイスラム教の教義にのっとったものである」という証明書の役割を果たすもので、インドネシアでは下記の手順で認定作業が行われます。

 

 

 

1. MUI(インドネシアイスラム指導者会議)の書類審査

 

2. 書類審査OKであれば、MUIBPOM(インドネシア医薬品・食品監督庁)の現地監査

 

3. 現地監査がOKであれば最終的にBPOMが認証発行

 

 

 

ハラルマークを発行する機関は各国によってまちまちです。日本にも発行機関があるという話を聞いたことがあります。マレーシアや中国にも発行機関はあります。

 

これはインドネシアで発行されたハラルマークになります。

 

 

 

つまり、ジャカルタにあった調味料のハラルマークは輸入品のため、インドネシア認証機関が発行したものではなく、製造国の認証機関が発行したハラルマークということになります。

 

 

 

ハラルマークの形はパッと見、何となく似ているのですが、発行国によって微妙に違っています。

 

 

 

中部ジャワで輸入食材を見かけることはほとんどありません。コンビニで魚の缶詰が置いてあったのを見たことがあります。たぶんMade in Chinaです。ハラルマークはついていましたが、インドネシア認証かどうかは気にしませんでした。

 

 

 

ところで、ジャカルタで見つけたハラルマーク付き中華調味料ですが、内容は甜麺醤と豆板醤でした。実はその時、麻婆豆腐をLuboyo村で作ろうと思い、これらを探していたのであります。

 

 

 

巨大モールで購入し、Luboyo村に持って帰り、借家で料理をしていたところ、いつもの通り好奇心の塊の隣のBu Tiny(ブウ・ティニー  Bu=奥さん つまりTiny奥さん)がずかずかと厨房に入ってきて、甜麺醤と豆板醤を手に取って眺めながら、「アンタ、これ日本製かい? ハラルマークじゃないね」とのこと。

 

 

 

私からすれば「ハラルマークがついていればどれも同じでしょ」ということになるのですが、彼女からしてみると、「いつも見慣れているハラルマークではないと、ハラルマークではない」と認識したようです。

 

 

 

この国に輸入食材が根付くのはまだ時間がかかると思った出来事でした。

 

 

 

 

 

Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

 

Koki