インドネシア 警察官、あなたのビジネスなんですか??


2012.9.21

インドネシア Patiにお勤めの公務員の服装を見るとたいがいBatik(インドネシア伝統染物の布)シャツか、いかつい制服に分かれます。

このいかつい制服ですが、イメージは防衛庁のお役人が身に着けていそうな、あの肩章の制服のイメージです。もちろん肩章は派手なものではなく生地をボタンで留めたものですが。

彼らはこの制服を着るというのが結構好きなようで、公務員であることを誇りにしています。

実は相棒のイカサン、週末にある公務員職のアルバイトをしているのですが、喜んで例の制服を身に着け職場に向かいます。一般人が公務員のアルバイトをするというのは日本では見ることがありませんが、Patiではたまに見ることがあります。

また反対に、日本の公務員は副業が禁じられていますが、インドネシアではOKです。何ら問題はありません。

実際私がPatiから中部ジャワ州の首都であるスマランやジョグジャカルタ、ジュパラ等に遠出をする際はレンタカーを借りますが、このレンタカー業者のオーナーは警察官です。

ちなみに、インドネシアに来てから、いわゆるトヨタレンタカーやHertzのようなチェーン店のレンタカー業者は見たことがありません。レンタカー業者を探すには人づてで紹介してもらうしかないと思われます。

この警察官、事務所があるPanjunanのご近所さんで、たまに夕食をご馳走になることもあり、また、彼の子供もよく事務所兼自宅に遊びに来ます。

こちらでは、警察官というと日本と比べると表面上は一般市民からかなり尊敬されています。もちろん裏では先日ブログに書きました飲酒運転事故や小金をせびるセコイ警察官もいて、悪評サクサクではあるのですが。

ところでこの警察官からある日、「ちょっと僕の友人に会ってもらいたいのだが・・・・。」との申し出があり、彼と一緒にPatiの住宅街に出かけることになりました。

家から10分くらい車で走ると彼の友人宅に到着したのですが、この友人宅かなりの豪邸で、ざっと見ただけでもお手伝いさんが3人。そして彼の友人と思しき人々が4~5人。たいがいこういった場合には見ず知らずの人々でも微笑みながら握手をするのが一般的です。

こういったシチュエーションは実はPatiで何回かあったのですが、その場合、家の主は街の権力者か何かで、小さなサロンのようなものが彼の周りに出来上がります。

しかし、最も驚いたのは庭にドカンと黒い日産エルグランドが置いてあることでした。しかもお手伝いさんが、「これでもか!!」というくらいワックスで磨きに磨きまくっています。

おそらく、何等かインドネシアの貿易業に携わっている方から見ると、この状況は非常に不自然な状況に思うはずです。なぜかというとインドネシアでは中古車の輸入は禁止されているからです。

つまりよほど特別な何かがないと手に入らない日本車を持っているということは、この主は結構特別な人物とみて良いでしょう。と思いつつ車を眺めていると、当の主人がやってきて、車の中を見せてくれました。

もちろん操作パネル関係は全て日本語、カーナビはインドネシアで使用できないのですが、液晶パネルにはFM○○(○○は県名)やTV○○等の日本語が・・・・。彼もだいたい感覚的に操作はわかるのですが、どうしてもわからない部分は私が日本語を説明してあげたのであります。

彼の話によると、彼は一種の事業家で、運送業、薬品の小売業、レストラン、その他いくつかのビジネスを中部ジャワを中心に行っているとのことでした。中古車はどうやって手に入れたか聞いたところ、「友達からRp500.000.000(日本円で約500万円)で買ったのさ」とのこと。

物腰の落ち着いた40歳近くの紳士といった風情です。いつか日本と中部ジャワでビジネスが出来ればいいねと言ってそのあと彼の豪邸をお暇したのであります。

Patiにいるとよくこういったこと、つまりあまり目的はないのですが誰かを誰かに紹介する、されるといったことがよくあります。日本でこういうことをすると「どういう目的だ?」「事前に何か準備は必要か?」「ほんとに行く必要があるのか?」など、詰め寄られてしまうこともあるのですが、こちらではそういったことは一切ありませんし、わたしもそういったことは聞かないようにしています。

帰りがてら、誘ってくれた近所の警察官と話していてわかったのは、実はこの実業家、彼の職場の上司で、長い間スラウェシ諸島で警察をしており、上層部まで行ったのだが、最近事情があり故郷のPatiに戻ってきたとのことでした。

彼の話によると、スラウェシ諸島の住民はジャワ人とは比較にならないくらい気性が激しく、紛争寸前の住民トラブルも結構あるとのことでした。「そんな中で警察の上層部まで行った人なので、結構みんな気を使ってるんだよ」とのこと。

そこで私は彼に聞きました「警察官、ビジネスマン、どちらが彼の本業?」と。

彼曰く「もちろん警察さ」とのこと。彼らは上司部下の関係ではあるのですが、遠い姻戚関係もあるようで、なるべく仲良くしたいようでした。

警官の長男と近所の子供たちと私です。

Sampai Jumpa Lagi,
Koki