2012.10.05
ところで、今日も前回の話に続きインドネシアのコーヒー産業の話です。
前回のブログでは「なぜコーヒー栽培農家は一致団結して自分たちで輸出をしないのか?」というところで話が終わりました。
Jollongのコーヒーの話の結末として、弊社は彼らからコーヒーを購入し日本に輸出するビジネスは行いませんでした。確かにかなり低価格で入手は出来るものの、日本ではもう一般的な豆は十分安く入手可能で、価格を大幅に下げてでも参入するメリットはあまりないなと判断したからです。
その代り、このJollongの話がきっかけとなりコピルアックのビジネスをスタートすることになりました。コピルアックの詳細はこちらをご覧いただければと思いますが、生豆をインドネシアから輸出することにおいては同じコーヒーのビジネスといえます。
さて、このビジネスを始めるだいぶ前に、日系の乙仲業者の担当者と話をする機会があり、いろいろインドネシアの貿易ビジネスに関して情報交換をしている中で、実は「輸出が非常に困難」という話が出ました。
当時はタイからスマランに輸入をするビジネスしか行っていませんでしたので、担当者の方の話にあまりピンときませんでした。その時コーヒーの話も少しだけでたのですが、「コーヒーはおそらく輸出できないだろう」とのこと。
「????」
通常、何かを「輸入ができない」といったことはよくあることで「ああそうですか」で済む話なのですが、「輸出が出来ない」という話は武器弾薬、危険物や国の政策、希少資源等にかかわるもの以外で聞いたことはありませんでした。
しかもコーヒーはインドネシアでは非常に一般的なコモディティーです。それが「輸出できないとは??」
当時はコーヒーのビジネスをするかしないかという段階ではありませんでしたので、この情報はそれほど気にしませんでしたが、その数か月後、コピルアックのビジネスを行う際、これはもろに弊社の足を引っ張ることになりました。
インドネシアは輸出入ともにライセンス制になっています。輸出はNIKという輸出業者税番という一種のライセンスが必要です。まずこれを取得するのが非常に困難です。このライセンスに関しては別の機会に詳細を記載したいと思います。
NIKの次に必要なのはおおよそ下記の手順になります。
Pati県商業省からのコーヒー輸出推薦状。→それを持ち、Semarang商業省からの同じく推薦状。→それを持ちJKTにある商業省の許可。→それに加え、AEKI(インドネシアコーヒー輸出協会)への加盟、AEKIが会員に発行するET-Kopiという会費納入証明書兼AEKIのお墨付きを税関とJKTの商業省へ提出。→輸出可能。
「???」
たぶんこれを理解できる方は少ないでしょう。結論としてはAEKIに加入しないと輸出は出来ないということになります。
「じゃあAEKIに加入しようじゃないか」ということになり、AEKIに連絡をし「加入したいのですがどうしたら加入できるのでしょうか?」と問い合わせをしたところ、
「前年度のコーヒー輸出実績を証明できるものを提示してください。年間10t(たしか10t)以下では加入できません」とのこと。
この時はイカサンに電話をしてもらったのですが、彼も「輸出の実績はありません。輸出をしたいがために協会に加入したいのです」と繰り返し言ってもAEKIの担当者は上記を繰り返すばかりでらちがあきません。
輸出をしたいから協会に加入したいにもかかわらず、「輸出の実績を提示せよ」とは何事!?
つまり、新規の加入を拒否しているわけです。さらに言うとコーヒー農家が一致団結してコーヒーを輸出しようとしてもこのAEKIが邪魔になって輸出できないのです。もちろんこの規則は既存のコーヒー輸出業者の権益を守るために作られたものと言っていいでしょう。全くばかげています。
さて、ピンチが訪れました。せっかくコピルアックのビジネスを始めようとしても輸出が出来ないとなればこのビジネスをあきらめざるを得ません。
いったいAEKIって何者??
腹の虫がおさまらないままコピルアックをすすりつつ、「IKEAにでも掛け合ってみるか」とつまらないことを考えるのでありました。
ドリアンとコピルアック。結構いい組み合わせです。
Sampai Jumpa
Lagi,
Koki