インドネシア 異邦人1


2012.10.19

ちょうど先ほどコピルアックのブログを書きながら思い出した話を一つ書きたいと思います。

詳細はこのブログをご覧いただきたいのですが、Patiでコピルアック生豆を入れて輸出するための麻袋を探していました。麻袋はこんな感じです

 

農機具店や資材問屋を10店くらいまわったと思います。しかしながら朝から晩まで探し回った結果、「新品」の麻袋というのは存在せずという結論に達しました。

 

Panjunanの事務所に帰り、夕食の支度をしていると大家の奥さんが「アンタに友達来てるよ」と怪訝そうな顔で私を呼び出しました。

 

「友達??」

 

イカサンやギアントならあえて大家の奥さんに言うまでもなく直接私を訪ねるはずです。しかも夕方6:00頃です。奥さんがいつものしかめっ面になるのもよくわかります。

 

奥さんと一緒に外に出てみると、知らない初老の男性が立っていました。全く誰だかわからず、私は困り果てて苦笑いをするしかありませんでした。奥さんはまだ私のことも初老の男性のことも睨み付けています。

 

“Maaf ya, siapa?”(すいません、どちらさまですか?)と尋ねると、初老の男性がにたっと笑い、私は彼が誰だかわかりました。歯が数本しかない笑い顔が、私に彼を思い出させたのでした。

 

奥さんに「もう大丈夫です」というと、奥さんは何やらぶつぶつ言いながら隣の家に帰っていきました。

 

彼に家に上がってもらい、来客用のアクア(小さい飲料水ボトル)を出し、なぜ彼がここに来ることが出来たのか不思議でなりませんでした。

 

なぜかというと、彼は新品の麻袋を探して10件くらい訪問した、資材店の店主のうちの一人だったからです。歯が数本しかない笑い顔が印象的でした。

 

確かに彼にはPanjunan村に住んでいるということは話しましたが、具体的な住所や目印になる場所は話していなかったため、どうやってここまでたどり着いたか彼に尋ねました。

 

私自身あまりインドネシア語が得意ではなく、しかも彼はジャワ語とインドネシア語を混ぜて話しているので会話が成立しづらいのですが、彼が言うには、出会う村人かたっぱしから、「この村に日本人が住んでいるはずなので彼の住居を教えてほしい」と聞きまくったとのこと。

 

方角を特定し、さらに目標を狭めてゆきついに私の居場所を突き止めたというわけです。感心したのと同時に少し怖くなりました。

 

麻袋を探す先々では、コーヒー生豆を輸出するために麻袋を探しているという話はしましたが、それが「コピルアック」という話は一切しないようにしていました。コピルアックはインドネシアの特産品といえども、通常の生豆より桁違いの額で取引されるため、金持ちと思われるリスクを避けたかったのです。

 

どうやら彼の話を聞くと「ワタシの知り合いでコーヒー生豆を安く販売する者がいるが、彼から生豆を買わないか?」とのこと。

 

「もう決まった業者がいますので無理です」というと、「そうか、わかった。・・・・。 ところで日本は暑いのか?」

 

私「これから暑くなります」。彼「そうか・・・・。 ところで私の知り合いでコーヒー豆を安く販売する者がいるのだが、彼から豆を買わないか?」

 

私「もう既に決まった業者がいます」。彼「そうか、わかった。ところでアンタ料理は自分でしてるのか?」

 

私「ええ」。彼「そうか・・・・。ところで私の知り合いでコーヒー豆を(以下同文)」

 

この繰り返しを約1時間。彼は「このアクアを飲んだらお暇する」と言いつつ、彼のアクアを見ると1㎜位しか減っていません。

 

「そろそろ食事の支度するので・・・・」と私が言って、やっと話を切り上げ、お帰りいただくことが出来たのです。

 

一見「苦々しい笑い話し」とも取れるこのやり取りですが、実は私自身の中で少し思うところがあり、ブログに書いてみることにしました。

 

紙面の関係上、続きは明日に譲りたいと思います。

 

                       

私の家の隣、つまり大家さんの家の前で撮影した写真です。左の子供が大家さんの孫です。

 

Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki