2012.8.08
今日もまた日経新聞の記事からの案内になります。
インドネシアのバイク販売不振のためヤマハの経常利益が46%減という記事がまずありました。この不振の原因ですがローン規制(ローンを組む場合、頭金を最初に支払わなければいけないという法律の施行)によるものということです。
LJA JAPANのインドネシア側関連会社のPT. LINTAS JAYA ABADIではバイクのスペアパーツの販売を行っております。アフターマーケット用のパーツのため新車の販売減少の影響は現時点では受けていません。
むしろ影響を受けているのが欧州危機です。
スペアパーツの市場は年々伸びていますが、インドネシアのマーケットに出回っているものほとんどが中国製です。純正のスペアパーツの半額以下というのはざらで、場合によっては1/3程度のものもあります。
この状況にもまして、昨年末頃から、さらに市場が下がってまいりました。原因はヨーロッパで販売が不調なため、中国メーカーがインドネシア向けに価格を下げてでも、輸出量を増やさざるを得なくなったという事情があります。
インドネシア人の所得は増加する傾向にあるため、スペアパーツの市場では、多少高くても品質の良いものを買おうという顧客層も増えていたのですが、ここ最近の異常な安売りのため純正のスペアパーツ販売は苦戦を強いられています。
ただし、バイク数がおそらく世界でも有数なため、スペアパーツの市場ボリューム自体が縮小するということは考えにくいと思います。
これはSemarang近郊にスペアパーツの営業時に撮影したものです。写真右側はバイクの修理店のマスターです。こういったバイク修理店で弊社がタイから輸入したスペアパーツを使っていただいています。
もう一つのトピックスが社説にありました。
「新興国のインフラづくりに日本の技術を」という記事のなかで、「送電中の電力損失がインドでは20%、インドネシアでは16%」と記載がありました。
技術的な解決方法はもちろんあるのだとは思いますが、この記事を読んで最初に思い浮かべたのは、東ジャワ州の都会から離れたある場所に行った時の光景でした。
知り合いの家に宿泊させていただいた際、夜に電気が安定せず、極端に薄暗くなったり、元に戻ったりという状況でしたので、「電気の故障?」と尋ねたところ、実は電線から勝手に電気を自分の家に引いてきているのであまり安定していない。とのこと。・・・!!
話を聞いてみると、この地域では結構な世帯がこの方法で電力をまかなっているとのことです。
たぶんこういった地域がここだけではなく、いろいろなところに点在していると思われます。
そのため、電気のロス率を下げるには、技術的な解決方法プラス、違法な電力引き入れも取り締る対策も必要なのではないかと思います。
中部ジャワでは電気料金の未払いが数か月発生すると日本のように電気を止められ、怒った家主と電気料金の徴収業者がけんかになるケースもあります。気を付けたいものです。
ちなみに、私がPanjunanの借家で一人暮らしをしている際に払う一カ月の電気料金ですが、だいたいRp60.000(日本円で約¥600)程度です。さらに徴収業者にはRp1.000(日本円で約¥10)を手数料として支払います。
一人暮らしで日本円で600円程度だったらインドネシアの電気料金は安いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。たしかに安いのですが、一般的な賃金収入と比較すると、相対的にはあまり安いとは感じないのであります。
例えば現地の高校卒業後に、近所のお菓子工場の製造ラインの工員として勤務した場合、月給は日本円で約¥6,000~¥8,000といった感じです。大卒の銀行窓口の女性の初任給がおおよそ日本円で¥20,000~¥25,000です。
そのため、体感的には日本で払う電気料金と同じかそれ以上になってしまうわけです。
バイクの部品も電力もインドネシアでは人々の生活に密着しています。じつはここらへんにはまだビジネスチャンスが潜んでいると思います。
次回はインドネシアで需要があるビジネス例を一つ書いてみたいと思います。
Sampai Jumpa Lagi,
Koki