2012.9.03
「デンソーはインドネシアでは3番目になる工場を年内にも着工。2014年には生産開始」
と言う記事が日経新聞に出ていましたが、今日は同じ朝刊に「中国の輸出攻勢、新興国悩ます」との見出しが目につきましたので、こちらに関してコメントをしたいと思います。
この記事の内容は「この10年間で、中国は7.6倍の輸出を増やしてきた。そのうち新興国向けの輸出は14.7倍。」「激安の家電、日常品等が中国から輸出され、自国の製造業が発展しない」との内容でした。
自由市場の経済では、これは当たり前のことで、中国に言わせてみれば「それならば、あなたの国も中国に負けない、より安く良いものを作ればいいだけ」ということになります。
この記事には主にインドの対中国貿易赤字が10年間で100倍にも膨らんでいるとのことでした。
かなりのものです。
では、インドネシアでMade in Chinaの製品はどれくらい浸透しているかと言うと、食料品以外の日常品は相当市場に出回っています。
バイクの部品でいうと、感覚的には7割くらいは中国製ではないかと思います。よく現地の新聞にも「安い中国製品を排斥せよ」との陳情を政府に行ったという記事が出ています。
インドネシアの市場に出回っている製品の一般的な序列としては、
日本製もしくは韓国製→タイ製→中国製→インドネシア製という順番になっています。つまり、中国製もインドネシア製よりかはマシと言った感じをインドネシア人は持っています。
よくタイ語のパッケージの製品を見かけることがあります。バイクの部品でも、靴や洋服などもあるのですが、インドネシア人に言わせると、おそらく中国製で、パッケージをタイ語で書くと売り上げが伸びる。つまりMade in Thaiと書くことによって消費者をだましていることになります。
もちろんこれは違法で、たまに摘発される業者もあります。
これはPatiの中心部にある広場で、毎晩行われる夜市の写真です。食べ物以外でもサンダル、靴、服などが売られていますが、ほとんどが中国製です。
ちなみに食料品はジャカルタの巨大モールで中国製の調味料を見たことがあります。中部ジャワでは「魚の缶詰」が中国製として出回っています。
ただしインドネシアは国民の大半がイスラム教徒のため、イスラムの戒律で許されているものしか口にすることが出来ず、フルーツや、穀物等を除いて食料品を他国から輸入することはほぼ不可能に近いと言われています。
以前、「醤油」を輸入できないかと考えたことがあったのですが、醤油の中にはアルコールが少量入っており断念しました。
こういったイスラムの戒律にのっとった食べ物をHalal(ハラル)Foodと言っていますが、おそらくこのマークがない食料品の輸入はほぼ不可能です。
インドネシアでは、製造業の会社を起業する際の設立費用は商業会社やサービス業を設立するよりも安く設定されています。インドネシア国内で製造業が増えることは、政府としても好ましいことであり、費用面、様々な認可取得に際し、製造業は優遇されています。
いずれインドネシアの貿易政策に関していろいろ書いてみたいと思いますが、私がインドネシアで起業して感じたことは、インドネシアの貿易政策は、自国の産業を保護しながらも、輸入に関しては積極的であるということです。
どちらかと言えば、「輸出を制限したがっている」という感じがしています。輸出入のライセンス取得時にも輸入のほうが輸出よりも比較的簡単に取ることが出来ました。また、業種によっては輸出に際し専用のライセンスが必要なものもあります。
確かに今はインドネシア製より、中国製のほうが安価で品質は良いのですが、いずれインドネシアの製造業が、内需を満たすに足る良品を生産できるようになる産業政策を、インドネシア政府が考えるようになれば良いなと思っています。
がんばれインドネシアの製造業!![full][/full]
Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]
Koki