2012.10.15
何かをゼロから始めるというのはとても大変なことだと思います。
何のノウハウもなくインターネットショップを始める人もいれば、飲食店をオープンさせる人もいるかと思います。何かしらの経験があれば当たり前のようにできることも、未経験であれば何をどうしたらいいのか?が全く分からなく途方に暮れるだけになります。
私自身、インドネシアに渡り貿易会社として登記を済ませたのはいいものの、いざインドネシアから輸出、もしくはインドネシアへ輸入するとなった時これほどライセンスの取得に苦労するとは思いませんでした。
国の予算を確保する方法はいろいろあります。税金はどの国でも最もポピュラーですが、仮に国民の納税率が悪い場合にはあの手この手で国はお金を集めようとするわけです。
インドネシアは幸い天然資源が豊富なため、国の資金は潤沢にあるのではないかと密かににらんでいるのですが、国民の納税率は悪いと思います。Patiに住んでいて住民が税金を払っている気配はあまりありません。そのため福祉や社会保障のような制度は日本と比較してかなり未発達です。
そのような事情もあり、インドネシア政府はとしては、取れるところからは何としても取るというスタンスを隠しません。貿易ライセンスはその一つであると感じています。
例えば日本や欧米のほとんどの国では特殊なものを除いて貿易ライセンスの取得義務はありません。ところが東南アジア諸国ではかなり多くの国がライセンスの取得を義務付けています。
ライセンスというものは考えてみれば空気のようなものです。「手続きだけでそんなに取るのか?」という費用を請求されます。これが一社だけではなく何百社か何千社かあればそれなりにまとまった金額が国に入ることになります。
・・・・。愚痴っぽくなってしまいました。
では、どうやって弊社がライセンスを取得したのか?まずは輸入ライセンスに関して記載したいと思います。
当初は全くどうやっていいのかわからず、会社を登記した際に依頼した弁護士(インドネシアでいうNotaris)に貿易ライセンスの取得を依頼しました。彼らは「全く問題なくできる」と最初は大見得切っていたのですが、待てど暮らせど連絡無し。挙句の果てにはギブアップ。日本でもインドネシアでもよくあることです。
ちなみにインドネシアでは何かを依頼した場合よく「bisa(出来る)」といわれることがあります。しかしこれは半分は疑ってかかったほうがよいでしょう。やったことがあるかないかを最初に尋ねるほうが無難です。
その後Patiの商業省(Departemen Perdagangan)に行って取得方法を聞いてみるも「わからない」とのこと。「わからない??」。
そうなのです。Patiで貿易会社というのは一つもなく、役所も輸入ライセンスというものをどうやって取得してよいかわからなかったのです。のどかなものです。
そのため、数社の日系およびは数社の現地乙仲業者にいろいろ聞いてみることにしました。ここで面白いのは日系の乙仲業者は基本的にライセンスの取得にはあまりタッチしたくないという傾向があり、現地の乙仲業者は積極的に取得も手伝いたいというスタンスだったことです。
あとあとこの日系の乙仲業者があまりタッチしたがらなかった意味がよくわかることになるのですが、その時点ではなぜタッチしたくないのかよくわからず、現地の乙仲業者数社にライセンスの取得依頼をすることにしました。
彼らは積極的に動いてくれるのはありがたいのですが、実際にライセンス取得の手助けをしたことがなく、時間も相当かかったうえ結果は「出来ない」というものでした。
ちなみに我々が取得しようとしたライセンスはAPI-U(Angka Pengenal Impor Umum)というもので、いわゆる貿易会社や商社が取得するライセンスです。それに対してAPI-Pというライセンスがあり、これは製造業者に対して交付されるライセンスになります。
API-Uが無いと、せっかく貿易会社として登記したのが無駄になってしまいます。インターネット上でも各種ライセンス取得代行業というのが結構あり、そこにもいくつか声をかけたのですが、「API-Uは出来ない」との回答。
ほとほと困り果てていたところに現地の乙仲業者から連絡がありました。
「自分たちは出来なかったけど、自分たちの友人の会社なら出来るかもしれない」とのこと。あまり期待もせずに翌週その乙仲業者の担当者に会ってみることにしたのであります。
次回へ続きます。[full][/full]
PatiのAlun-Alun(中央広場)の夜の景色です。
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Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]
Koki