インドネシアの無農薬野菜ビジネス


2013.7.20

インドネシアは現在ラマダン(断食月)の真っ最中であります。LJA インドネシアの拠点Patiでは現在コピルアクの新ロット選定作業をそろそろ始めることになりましたが、断食中の作業というのは結構つらいもの。スタッフたちの負担が少ないよう、気を付けたいと思います。

 

さて、実は先日コピルアクのこちらのブログに記載したのですが、インドネシアの無農薬野菜に関してLJA JAPANのブログにも書いてみたいと思います。

 

日本で野菜を買おうとする際はいつの頃からか「生産者の顔が見える」というトレーサビリティーが重要視されるようになって参りました。またそれ以前に「無農薬野菜、オーガニック野菜を使用しています」ということを売りにしたレストランも登場するようになりました。

 

こういった状況はかれこれ10年以上前からのものであると記憶しております。

 

ところでインドネシアでは、こういった野菜に関する一般市民の意識はどのようなものかといいますと、まず「トレーサビリティー」に関しましてはほとんどが意識されていないと感じます。もちろんPasarで販売されている野菜は日本のようにフィルムで包まれているわけではなく、むき出しの野菜が地べたに置かれているだけです。

 

そのため、消費者が手に取ってみてもそれだけでは何もわからず、野菜を売っているマダムに「これはどこで採れたのですか?」と聞けば「○○村」と答えるのみになるでしょう。

 

もちろんどこの村で取れた野菜かを聞く人などはいないと思われますが・・・・。

 

ところが無農薬野菜に関しましては、消費者意識は結構高く人によっては気にする人もいるようです。もっとも、コーヒーも農産物ではあるのですが、このコーヒー豆は無農薬か?と気にする人は皆無です。もちろんコピルアクに関しても・・・・。

 

中部ジャワの州都Semarangに住んでいるインドネシア人から聞いたことがあるのですが、どうやらこの無農薬野菜、現在はマレーシアから輸入してきてビジネスにしている人が出てきた模様で、今後インドネシアでも無農薬野菜の栽培が活発になってくるのではないか?との意見でした。

 

ところが私がこの話を聞いて少し不安になったのが、本当に「無農薬野菜なの?」ということです。しっかりした流通システムがあり、無農薬野菜が生産者から消費者に届くのであれば問題はありませんが、どこかのポイントで無農薬野菜と普通の野菜が取り換えられるというような事態が発生しないとも限りません。

 

この無農薬野菜のビジネスを行おうとする場合、結論を申し上げますと、販売者は供給者の近くに居住するしかないという気がしております。つまり販売者は本当に供給者(農家)が農薬を使用していないかどうかを監視する必要があり、なおかつマーケットに輸送するのも自ら行うわけです。

 

仮にそれが可能であれば100%無農薬ですと販売者は言い切ることが出来、ビジネスとして成り立つのではないかと思います。

 

実は以前、無農のKangkungを日本に輸入するという話がありました。Patiに住んでいる知人の紹介で無農薬野菜を生産できるという人に出会うことが出来たのですが、私が「生産地のそばに家を借りて無農薬が実行されているかを監視したい」と申し出たところ、「Patiは無農薬の生産には向かない土壌なので、Semarangで行う」との話になりました。

 

結局それですと、私がその野菜が本当に本物の無農薬かを確認することが出来ない為このビジネスは中止することになりました(後で良く調べてみると、日本はKangkungの輸入を禁止していました)。

 

この手の話というのはインドネシアでは山ほどあります。もちろんコピルアクのビジネスも同じことで、最も簡単なのはコピルアク生豆を購入することなのですが、そのコーヒー生豆が本物である確証はありません。

 

そのため手はかかりますが、LJAではジャコウネコのフン付豆を購入し、自社で精製をしているのであります。

 

ちなみに無農薬で作られたもののことをインドネシアでは「オルガニッ」と発音しておりました。

 

 

この写真はPasar Siang(夕方に立つ市場)でKangkungを購入した際のものです。インドネシアのKangkungは最高に美味しいです。

 

Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki