東芝のテレビ戦略 in Indonesia


2012.8.16

今日は昨日のブログの続き、東芝のテレビとアザーンについてです。

 

昨日816日の日経新聞に出ていた記事の内容を要約すると下記のようなものでした。

 

「日本メーカーがテレビ事業を縮小する中、東芝だけは拡大路線を堅持」。「インドネシアではアザーンの時間に合わせて映像や音楽が流れるテレビを発売。現地社員の立案によるもの」。「これこそローカルフィット製品の成功例(デジタル家電執行役専務談)」。「インドネシアでは首位のLGを追い上げており、2位のシェア。」

 

現地社員とはインドネシア人社員のことと思われます。また「アザーンが時間になると自動的に流れるテレビ」を「成功例」としていることからも、このテレビが売り上げに寄与していることが読み取れます。

 

この記事を最初に読んだ時、感じたのは「??」でした。

 

と申しますのも、私は今までインドネシアで起業をしてから、ジャワ島のいろいろな地域に行きました。大都会のジャカルタをはじめ、西ジャワ、東ジャワ、中部ジャワ。その中にはコーヒー栽培をしている標高2000m近い山奥で車が通ることが出来ないような場所もあります。

 

しかしながらそのどの地域でも、お祈りの時間になれば、100%アザーンが聞こえてきます。

 

昨日のブログに記載しました通り、時間になればアザーンの旋律が空を覆い尽くすといっても過言ではありません。

 

そのため、「時間になれば必ずアザーンが聞こえるはずなのに、なぜわざわざテレビにアザーンをタイマー機能のようにつける必要があるのか?」と思ったのであります。

 

たぶん日本人にはこのアザーンテレビの発想はなかなか出てこないと思います。たとえインドネシアに住んでいてもです。

 

なぜこのテレビが受けているのか?

 

しばらく考えてみました。一つだけ思い当たることがありました。

 

実は相棒のイカサンのノートパソコンにはアザーンが数曲ダウンロードされています。アザーンというものが全部で何種類あるかはわかりませんが、種類は多くあります。

 

私が以前アザーンのCDというのはどこかに売っているのか?と彼に聞いた時に「CDを売っているかどうかはわからないが、自分はノートパソコンにダウンロードしている」と言って、パソコンを開いて私に聞かせてくれたものです。

 

その時、イカサンになぜノートパソコンにアザーンを入れているのか?と聞いたのですが、彼曰く、「う~ん別に理由はないのだけれど・・・。」とのことでした。それ以上はあえて聞くことはしなかったのですが。

 

このテレビを立案したインドネシア人の現地社員もひょっとしたら、テレビにアザーンを入れた理由は?と聞かれたら、イカサンと同じで「別に理由はないのだけれど・・・・」と言うのかもしれません。ただ、そのあとに続く言葉を私が想像すると、「身近にアザーンを置いておきたいから」といった感じになるのではないかと思います。

 

この新聞記事は私自身に、とてもプラスになりました。これからもいろいろな仕事を遂行する中で、自分が見えていない何かがあるのかもしれません。

 

私には絶対に見えないアザーンテレビの需要も、彼らには見えていたのでしょう。

 

私には見えていない、その何かを見つける方法を探してゆきたいと思います。

 

 

今日の写真は、表題とは全く関係がないもので、ソロ空港の近くのレストランで撮影した、イカサンと私です。料理はNasi Goreng(ナシゴレン)というインドネシア版チャーハンです。おいしい・・・・。

 

Sampai Jumpa Lagi,
Koki