2012.12.06
日本に住んでいる限り、「日本はコネ社会だ」と感じたことはありません。そういう環境にいないのでそう感じないのかもしれないのですが・・・・。
中国や韓国はものすごいコネ社会だと聞いたことがあります。今日の日経新聞でサムソンンの世襲制が話題になっていました。トップは創業家の李氏が継ぐと決定したそうです。韓国の大統領選挙戦ではサムソンをはじめとした財閥の「もうけ過ぎ」対策が焦点の一つとなっているようですが、このサムスンの決定は「世襲を止める気はない」という意思表示であるとの内容でした。
新聞の内容を読む限り、トップだけが世襲でその他の社員は完全実力主義。社員も不平を漏らしていないとのこと。サムスンの快進撃は社員の競争、猛烈な働きによるものも理由の一つなのでしょう。コネでどうにかなるという感じは見受けられません。
いつか中国人や韓国人の知り合いに、本当にそんなに露骨なコネ社会なのかどうか聞いてみたい気がします。
ところで以前この章で相棒のイカサンが「インドネシアはコネ社会だ」とぼやいていると書いたことがあります。例えば、公務員になるには金がかかると聞いています。一応公務員になるための試験はあるそうです。しかし、試験の前に既に合格者は決定しており形だけの物とのこと。
どうやら採用者と就職希望者の間に仲介者が介在するようで、落札形式で就職部署が決まってゆくそうです。イカサン曰く「まるでオークションだよ!!」。
警察官、税関職員・・・・。かなりひどいという話を聞きます。
ところがこれは公務員に限った話ではありません。一般企業にも当てはまるようで、有名企業に就職しようとするとコネは絶対必要。「もしコネが無ければマネーだね」とのこと。親が金を出し子供を一流企業に入れ、彼が稼いだ金で余生を楽しく暮らすというプランであれば立派な投資ともいえるとは思いますが、コネも金もない人からすればやりきれない気持ちはよくわかります。
以前ここに登場したカブール氏。私がまだLuboyo村にいる頃、彼はしばしば私を家に招待してくれました。ちなみに彼のワイフの得意料理はSwike(スウィキー=カエルの煮込み)。どうやらSwikeの日に合わせて私を招待してくれていたようです。
ある日彼の家でSwikeをご馳走になりながら、彼が自慢げに言いました。「ワタシの長男がこのたびジャカルタの○○○銀行本店に就職が決まってな」と。Swikeを食べながら「おめでとうございます。よかったですね」とお祝いをいったところ、彼は再び言いました。「ワシの長男が○○○銀行で働くことになってな!! む~」。
「しめた!!」と思いました。彼に念願の銀行口座をモグリで開いてもらえるかと思ったからです。ちょうどこの時は銀行口座の開き方が分からず、渡りに船!! と彼にお願いしてみることにしました。「あの~カブールさん、すいませんが、私の銀行口座をKitasなしで彼に開いてもらえませんでしょうか?」と。
彼のワイフは横で大うけしています。カブール氏も苦笑い。「??」
彼女の説明によると、こういう場合にはお約束で「いくらかかったか?」と聞くのがインドネシア式とのこと。つまり、○○○銀行に入行するために賄賂をいくら払ったか?と。
「やっぱりアンタ外国人だね~」と彼女に笑われたのであります。カブール氏曰く払った金はRp100.000.000(日本円で約100万円)。まあこんなもんだろうとのこと。その後イカサンから聞いた話によると、大手の銀行で自分の子供が働くとなったら親のステイタスにもなるので、金持であればそれくらいは払うということでした。つまり親が金持ちであるということと同じ意味になるわけです。
100万円といえば日本でも大金ですが、PatiでRp1億という金額は、日本では700~800万円くらいと同等の感覚です。
今まではただの政治好きなオヤジさんにしか見えなかったカブール氏が急にまぶしく見えました。ちょうど雨期が終わる頃の出来事でした。
本当は、カエルはイスラム教徒は口にしてはいけない料理なのですが、中部ジャワではポピュラーな料理です。今Patiに行って食べたいものといえば、意地悪マダムが作る激ウマNasi Gandulとカブール氏のワイフが作るSwikeです。
Samapi Jumpa Lagi,
Koki