インドネシア コーヒーの構造3


2012.10.31

日経新聞夕刊の最終面、私の玉手箱でマラソンランナー有森裕子さんの記事が連載されています。

 

私が中学生くらいの時だったと思うのですが、オリンピックで銀メダルを獲得されたと記憶しています。当時は「出る大会、出る大会で連覇して、ついに五輪でメダルを獲得・・・・」、「今世紀最後の天才ランナー」というような報道をされていたような記憶があり、この記事を読むまではてっきり、幼少からランナーとしての英才教育を受けておられたのかと思っていました。

 

ところが、中学生時代はバスケット部でしかもあまり活躍できず・・・・。高校時代も陸上競技でたいした実績は残せず・・・・。 それでもやる気だけは人一倍で最終的にはオリンピックで銀メダルという偉業を成し遂げられるわけです。

 

人の思い込みや先入観というのは厄介だなと思います。

 

弊社で扱うKoki’s Kopi Luwak。実を申し上げると、最初は私自身がコーヒーについてほとんど知見が無いところからのスタートでした。そのためコーヒー豆がどういう構造になっているかは皆目わからず、コピルアックとはただただ、猫のフンにまみれた豆を最終的に焙煎して飲むというくらいにしか思っていませんでした。

 

このブログで書いたように、Patiでコーヒービジネスに触れる市民というのは山の中に限られており、相棒のイカサンを始め多くの人がコーヒーの産地に住んではいるものの、コーヒーについてあまりよく知らないわけであります。

 

 

そのため最初は、コーヒーはどうやってできるのか? 産業の構造はどうなっているのか?を勉強するところからのスタートでした。

 

実際にコーヒー豆に触れ、コーヒー農家から話を伺いおぼろげながら生産側の全体像が見えてくるといった感じです。

 

最終的にはコピルアックのビジネスに落ち着いたものの、この経験は非常にためになるものでした。

 

今日はコピルアックを例にとりコーヒーの構造をブログに書いてまいりたいと思います。

 

コピルアックはご存じの方も多いかと思いますが、ジャコウネコという動物がコーヒーの赤い実を食べ、消化されずに出てきたフンを精製し、その生豆を焙煎したものになります。この概要だけ聞くと、まさに「フンまみれのコーヒーを洗って焙煎して飲むんだな」と思われるかと思います。私も最初はそう思っていました。

 

まずは写真をご覧ください。コーヒーの構造というのは、赤い皮、果肉、パーチメント、シルバースキン、生豆という構成になっているのです。

 

赤い皮の左下がパーチメントと呼ばれる皮です。この皮は薄い皮なのですがかなりコシがあり、丈夫です。パーチメントと赤い皮の間に果肉があるのですが、“肉”という言葉が使われてはいるものの、極薄の膜、もしくは層といったほうがより正確かもしれません。確かに舐めると甘いです。

 

おそらくジャコウネコはこれが好きなのだと思います。ジャコウネコには夜にコーヒーの実を餌として与えているのですが、ずっと観察しているとまるでキャンディーを舐めるみたいにこのパーチメント付の豆を舐めています。

 

基本的にジャコウネコは赤い皮は食べずに“ペッ”と吐き出します。そしてパーチメント付きの豆を飲み込みます。

 

ちなみにここら辺の情報はこちらをご参照いただければと思います

 

 

パーチメントと生豆の間にあるのが、シルバースキンと呼ばれる非常に薄い皮で、これはパーチメントとは違い非常に薄く、コシはありません。写真のコーヒー豆はフレッシュな為、水分を多く含んでおりシルバースキンはパーチメントをはがすときに一緒にはがれてしまいました。この写真でよく見ると、グリーンビーンに茶色いものが付着しておりあますが、これがシルバースキンの残骸です。

 

ジャコウネコのフンを精製するとはつまり、フンの中からパーチメントを取り出し、きれいに洗い、その後生豆を取り出す作業になります。つまりジャコウネコのフンと生豆は直接触れていないのであります。

 

コピルアックのビジネスを始める前、イカサンとこんな話をしてました。

 

「ジャコウネコにコーヒーの実を食べさせず、生豆を買ってきてジャコウネコのフンに混ぜたら“本物のコピルアック”になるのかなあ??」

 

まだ私もイカサンも“コピルアックはヤバイもの”と思い込んでいた時期の会話でした。

 

Samapi Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki