インドネシア Pati県知事の公邸で・・・・。


2012.10.26

機動戦士ガンダムというアニメが流行っていたのは、私がまだ小学生の中~高学年の頃だったと思います。


特にガンダムのプラモデル、いわゆるガンプラは売り切れ続出でなかなか入手できませんでした。中でも入手困難だったのは赤い「シャアザク」だったと記憶しております。あのジオン公国のトップキャラクターを入手するために、子供たちはみんな必死の情報収集にいそしんでいました。「駅前のプラモ屋にいくつか入ったらしい」、「スーパーの裏の家でひそかに販売しているようだが、2倍の値段がする」・・・・・。懐かしいことです。

 

ところで今、これと似たような現象が豆腐業界でも起きているのでしょうか?それとも少し時期外れでしょうか? 

 

 

「ザクとうふ」のことです。


以前日経ビジネスオンラインでこの豆腐のことを知りました。それ以来、スーパーに立ち寄った際には豆腐コーナーを見ているのですが、まだ陳列棚に並んでいるのを見たことがありません。

 

今日の日経新聞の夕刊にこの「ザクとうふ」のメーカーである相模屋食料の社長 鳥越氏のインタビューの記事を目にしました。ザクとうふが出来るまでのエピソードが記載されていました。大変興味深い記事でした。そして、これを読んで思い出したのは、「男前豆腐」です。

 

 

豆腐の業界や味に関しては詳しくない為、コメントは出来ないのですが、両方に共通するのは特異なマーケティングではないでしょうか。どちらもかなりインパクトがあります。豆腐という古くからの業界で顧客をつかむにはこういった強烈なマーケティングが必要なのだと思います。

 

もしインドネシア人に「豆腐もマーケティング競争が熾烈である」という話をしてもたぶんピンとこないでしょう。なぜならインドネシアでも豆腐というものは存在するのですが、豆腐でブランドというのは、私の知る限り存在しないからです。

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インドネシアの豆腐、名前はその名の通り、Tahu。「タァフゥ」と発音します。

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しかし、木綿や絹ごしといった種類はなく、基本的には衣をつけて油で揚げています。また固いものと柔らかいものがあります。柔らかいものは揚げ出し豆腐のような感じですが、硬いTahuは、餅と揚げ出し豆腐を足して2で割ったような感じです。どちらもサイズも日本のように大きくはありません。

 

それこそ切り餅を2つ重ねたようなサイズです。

 

今ではほとんどのインドネシア料理を問題なく食べることが出来るようになった私が、当初かなり苦手だったのがこのインドネシアTahuでした。なんというか、ちょっと酸っぱいのです。

 

インドネシア料理はタイ料理と同じくかなり辛いです。しかし、大きく異なるのは、「酸っぱい」料理がほとんど無いことです。広いインドネシアで「無い」とは断言できませんが、中部ジャワで酸っぱい料理を経験したのはTahu以外ではありません。

 

先ほど、私の知る限りTahuにはブランドが無いと申し上げました。イメージとしてはPasar(市場)や、朝に自転車で食品を売りに来るマダムの品ぞろえの中にTahuが必ずあります。また、LJA インドネシアの拠点があるPatiの、Panjunan村のWarung(屋台)ではTahuを買うこともできます。

 

つまり、インドネシア人からしてみると、野菜や果物と同じような感覚でTahuを見ているわけです。そのため「なぜTahuにそれほどまでにマーケティングが必要なの??」と感じるでしょう。

 

日本の物販市場というのは、ほとんどの商品において供給飽和状態だと思います。つまり、供給者があまりにもたくさんいるため、その中で勝ち残ろうとすると、競合よりも「安くする」、もしくはザクとうふや男前豆腐のように「ブランド化する」の2つしか道はないという気がしています。

 

そういう意味でいうと、日本の物販からマーケティングを学ぶことはたくさんあるのだろうと感じています。

 

次回インドネシアの豆腐について、次回もう少し触れてみたいと思います。

 

 

 

 

青唐辛子と一緒に食べるTahu(硬いほう)です。慣れてくると結構いけます。

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Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki

 

 

新聞を見ると、このごろ相当中国関連の記事が増えているなと感じます。

 

話題のほとんどが領土問題と中国の経済停滞であります。数か月前中国人の水産関係者と打ち合わせをする機会がありました。インドネシア産の加工冷凍魚を中国で販売できないかと考えたのであります。

 

水産関係者の話によると、中国人は以前は魚、特に刺身を食べる習慣があまりなかったようですが、最近は刺身を始め日本で食べるような様々な水産加工品の需要が増えているとのこと。

 

この中国人曰く「中国人の胃袋が大きくなったんですよ!!」。この言葉の通り受け止めるとしましょう。

 

仮に1立方センチメートル人間の胃袋が大きくなったとします。1立方センチメートルあたりの食物重量を1gと仮定します。中国の人口はおおよそ13.5億人です。

 

1g×13.5億グラム=13.5億グラム。 これをキロ換算すると135万㎏。これをトンに直すと1350トン。20フィートコンテナの積載量を仮に20トンとした場合、1350トンは67.5コンテナ分に相当します。

 

胃袋が1立方センチメートル大きくなるのにかかる日数がどれくらいかはよくわかりませんが、67.5コンテナといえば相当なものです。

 

以前中国に行ったことがあります。中国での食事のマナーは「残さず食べるのは良くない。少し残すべし」といわれています。比較的高級な料理店に中国人と一緒に入った際、周りを見るときれいに平らげているという状態ではなく、皿には残った料理がありました。

 

まだ私がLuboyo村に住んでいたころ、ある日知人が突然家を訪ねてきました。彼の名前はカブール氏。彼はPatiの役場の部長さんのような立場の人で、比較的仲良くしてもらった親切で押しの強い男性です。

 

彼は政治活動に熱心で、パティ県知事の政治サロンにも出入りをしているとのこと。政治サロン?? つまり、県知事を応援するパトロンのような人がしばしば集まり、食事をしながらマッタリと時間を過ごすのです。

 

カブール氏、夜突然訪ねてきて「Pati県知事の公邸にこれから行くが、一緒に行くぞ」と強引に私をを車に押し込めAlun-Alun(中央広場)のすぐそばにある公邸に一緒に行くことになったのであります。

 

さすがに県知事の公邸だけあり中はかなり広く、居間に通されると既に10人くらいの人々が食事をしておりました。主人である県知事は「太った大尽」という風情で、ソファでくつろいでいます。県知事よりも先に目についたのはリビングのテレビがPatiでは珍しい液晶テレビであったこと。メーカーは残念ながら日本製ではなくLGでありました。

 

先客はサロンの常連で、カブール氏も彼らをよく知っています。職業を聞くと、SMA(高校)の校長先生や飲食店の店長、車の整備工場のオーナー等色々な人がいます。彼らが何を話しているのかはよくわからなかったのですが、Patiの政治や行政に関して喧々諤々の議論をしている様子です。

 

そんな議論をよそ目にPati県知事はソファーでくつろぎながら、ボーっとテレビを見つめ、リモコンをいじりながら「あー またリモコンが壊れた」と。お手伝いさんがきて電池を交換して・・・・。あまりサロンの議論には関心がない様子です。

 

食事はいろいろな料理が出てきました。豪勢な料理でした。料理は骨付き鶏肉や焼きそば、ナシゴレンといったもの、果物、等々です。

 

この食事の場で一つ経験したことがあります。

 

テーブルの上には果物をむいた皮を置くための皿があります。バナナの皮やその他果物の皮はその中に置かれます。つまりごみを置くための皿です。

 

私が骨付きチキンを食べ終わり、その骨をごみを置くための皿に置こうとしたところ、カブール氏が、「ちょっと待ってくれ。骨はこの皿じゃなくて、ここに置いてくれ」とのこと。

 

「ここ」とはつまり、まだだれも手を付けていない鳥料理が入っている皿です。

 

周りを見るとみなそのようにしております。そのため私も同じように食べた骨を、元の皿の上に置いたのであります。

 

そのあと何か失礼なことをしたかと思い、カブール氏に聞いてみたところ、彼の答えはこういうものでした。

 

「この公邸で働いているお手伝いはたくさんいるが、皆それほど裕福ではない。そのため、我々が残飯と思った骨でも、後で彼らが骨の周りに少し残っている肉を食べるかもしれない。そのためごみと同じ皿に骨付き肉を置くのは、皆遠慮しているのだとのこと」。

 

ふと中国での出来事が頭をよぎりました。皿の上に残すたくさんの食べかけの料理。

 

カブール氏は、「じゃあ次行こうか」と歩きながら大声でガムランの歌を歌いながらAlun-Alunの屋台ラーメンへ私を誘います。夜のAlun-Alunは毎晩にぎやかな夜市が立ちます。

 

Patiのサロンは人の入れ替わりがはやく、我々が公邸を後にする時も、人が絶えず居間に吸い込まれてゆきました。Patiの新しい県知事選がそろそろ始まろうという時期の出来事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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PatiのAlun-Alunです。

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Samapi Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki