インドネシア 人材ビジネス 前編


2012.12.04

今日の日経新聞にカルビーがインドネシアに現地企業と合弁で工場を設立するという記事がありました。

以前こちらのブログで偶然カルビーのようなお菓子に関するコメントを書いたことがあります。中部ジャワではあまり見当たらず、もし日本で食べるのと同じようなスナック菓子でHalalに適合したものが出来ればインドネシアで爆発的に売れるのではないか?という内容のものです。

日本の企業がインドネシアに進出することにより、お互いの国民の生活が豊かになれば、それは素晴らしいと思います。

この新聞記事の内容では「5年後に市場規模の10%を目指す」とあります。つまり、こういった菓子類の市場規模はおおよそ800億円くらいということになるのでしょう。いずれPatiでもカルビーの「かっぱえびせん」を食べることが出来る日が来るかもしれないというのは、何となく不思議な気がします。

ところでこういった「ハード面」から見た場合、日本、韓国、中国などの国々の企業がインドネシアには多く参入しております。そしてこれからも多くの企業がインドネシアに渡ってくるであろうことは、容易に推察できます。ところで昨日のブログで記載した「ソフト面」について中部ジャワで経験したことを記載したいと思います。

以前会社のWebを制作しようと、中部ジャワの会社をいろいろあたったことがあります。条件としては「WordpressというCMSを使用して会社のWeb制作が出来ること」でした。ところが中部ジャワではこういった人材はなかなか見つからず、結局はジャカルタに住んでいるインドネシアの友人を通じてあるデザイナーを紹介してもらいました。

ちょうどジャカルタで別の仕事があったため、このデザイナーと一度打ち合わせをすることにしました。彼の本業は「ブラックベリーのアプリケーション開発」であり、Web制作も可能であるが価格が高くなるということで、結局彼にこの仕事を依頼することはなかったのですが、彼との打ち合わせの中で一つ驚いたことがありました。

彼の話す英語がまるでネイティブスピーカーの様だったことです。「どこかに留学していたのか?」と聞くと、留学していたことも外国に行ったことも無く、小さい頃両親に無理やり入らされた英会話教室での勉強が役に立っているとのこと。

確かにPatiに住んでいて思い当たることがありました。

Patiの街には1つだけ英会話教室があります。この英会話教室は本部が中部ジャワ州の州都スマランにあるフランチャイズタイプの教室で、私のPatiの知人が英会話教室の先生をしています。

この英会話教室は教室自体もありますが、個人レッスンとして依頼があれば家庭教師のように教師を生徒の家に派遣します。彼の話によると、「英語をしゃべることが出来るようになりたいと思う人はPatiには山のようにいて、ひっきりなしに家庭教師の依頼が来る。休む暇がない」とのこと。

Patiで先生になれるくらいの英語を話すことが出来る人材を見つけるのはそう簡単ではありません。そのため、先生の供給が需要に追い付いていない状態が続いています。

レッスンの価格を聞いてみたところ、1回90分の個人レッスンで約Rp60.000(約600円)。日本の感覚からすれば安い授業料ですが、Patiの物価からすればこれはかなり高いと言えます。 昨日のブログに記載しましたように、物価レベルは例えば牛丼1杯と同等の食事が日本円で約80円です。

Patiのような地方都市でもこのような状況なので、ほかの都市でも同じように需要が多すぎて先生の供給が追い付かない状況のようです。

この英語熱の理由、いくつかあるようなのですが、彼の話によると「若い芸能人がテレビに出てきてインドネシア語ではなく英語で話すのがトレンディーでそれに影響されているのではないか?」とのこと。確かに私もテレビでインドネシア人の若いアイドルか女優かが英語でインタビューを受けているのを聞いたことがあります。

ところが、この「教師不足」。実はPatiでは英語だけではなかったのです。ある日相棒のイカサンにその話をしたところ、Patiの学校では「ジャワ語の教師と体育教師」が不足しているとのこと。

ジャワ語の教師??

まずはジャワ語の授業があることが初耳でしたが、イカサンの話によると、どうやら日本では国語の授業があるのと同じく、ジャワ語圏内の地域ではジャワ語の授業があるとのこと。これは、インドネシア語の普及によりきちんとしたジャワ語を話すことが出来る人が徐々に少なくなっていることに危機感を覚えたお役人が、ジャワ語教育の強化を推進していることによるものだそうです。

インドネシア語には敬語というものがありません。しかしジャワ語では日本語と同じように目上の人に対する場合の言葉使いと目下の人に対するそれは、明らかに違うようです。時代と共にだんだんとその風習が崩れ、ジャワ語がインドネシア語のような使われ方をしていることが特に危惧されているという話でした。

そしてもう一つ「体育教師」。イカサンに理由を尋ねるも「わからない」とのこと。

ここで問題が発生します。どうやったら英語教師、ジャワ語教師や体育教師を見つけることが出来るのか?です。需要はあるが供給が出来ない・・・・。

次回ソフト面から見た中部ジャワ、まだ少し続けたいと思います。

右側のロックンローラーはBatikの先生です。いずれこのBatikの話もブログに書きたいと思います。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki